日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■前畑頑張れの日
今日の記念日データに、「ガンバレの日」とありました。
1936年のベルリンオリンピック大会で200m平泳ぎ決勝で、日本の前畑秀子選
手がドイツ代表のマルタ・ゲネンゲルとのデッドヒートを制して優勝した際
に、ラジオ中継を行ったアナウンサー(日本放送協会 河西三省)が
「前畑頑張れ」
と20回以上も連呼した、伝説の放送から「ガンバレの日」となったとのこと。
この時に得た前畑選手の金メダルが、日本の女子選手が獲得した最初の金メ
ダルだったそうです。
◇ロサンゼルスオリンピック大会でも銀メダル・・・
前畑選手といえばこのベルリンオリンピックの金メダルという話しが有名過
ぎて翳んでしまっていますが、実はその前のロサンゼルスオリンピックでも
平泳ぎ200mで銀メダルを獲得しています。
今ならこの「銀メダル」だけで、充分凱旋帰国出来るところでしょうが、な
んとこの時の前畑選手は大変な批判、バッシングを受けることになりました。
曰く、「二位とは恥である」
曰く、「あと少しで優勝なのに、なぜあと少しの頑張りが出来ないのか」
といった批判、非難が囂々となされ、ご本人も日本に無事帰国出来るのだろ
うかと危ぶんだ程だったそうです。
この批判にさらされ、帰国後は引退も考えたそうですが、母親の励ましなど
により、もう一度だけと考えて臨んだのがベルリンオリンピックだったそう
です。
ここで優勝出来なければ、今度こそ日本には帰れないと思って臨んだ大会だ
ったと前畑(結婚後は兵藤)選手が思い出を語っています(以前何かの本で
読んだのですが、何で読んだのか失念しました)。
◇オリンピック今昔
平泳ぎ200mといえば、北京オリンピックでは北島康介の金メダル獲得が期待
されています。女子についても「メダル」の期待がかかっていると思います。
でも現在はたとえ金メダルが取れなくとも、バッシングを受けるようなこと
は無いでしょう。
その上、前畑選手達がオリンピックに出場した頃は、オリンピックへの出場
に掛かる費用は選手の自腹だったとか。渡航費用、宿泊費用などをかき集め
るため親戚中から借金をして出場するのが珍しくなかったのだそうです。
自腹で大会に参加して、世界で二位になったといって、それまで何の面倒も
見てくれなかった人々に非難されなければならなかったなんて。
今と昔では、オリンピックに出場する選手の回りの状況は大きく様変わりし、
まさに隔世の感がありますね。
時代は変わりましたが、ともあれ今は
「ガンバレ、ニッポン」
と応援することにしましょう。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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