日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■里と山、今年の豊作は?
十月にもなると、今年の米(稲)の作柄がニュースに登場するようになりま
す。最近は食生活も多様化してきていますから昔ほどではないにしても、や
はり「米」の出来具合は日本人の関心事の一つです。
暦の上でも秋には行事が多いのですが、その理由の一つには秋が収穫の季節
ということがあります。その年の収穫に感謝する行事が秋に集中するからで
す。
◇里の実りと山の実り
秋の実りといって浮かぶものは里の実り、例えば稲、例えば芋があります。
そしてもう一つ山の実りというのもあります。例えばキノコ、例えば栗。
秋になるとその出来不出来が必ず話題になるキノコがあります。日本人が病
的なまでに有り難がる松茸がそれです。
この松茸に関係する言い伝えには
・稲不作は松茸豊作
・お里がよければ山は悪い
・山豊作、里不作
というものがあるそうです。これは松茸の豊作になる気象条件と稲の豊作と
なる気象条件が逆であるためだとか。
八月の終わりから九月にかけて、雨が多くて気温が低めというのが松茸生育
には望ましいとか。稲にとってはこの時期に実には葉で作った沢山の栄養分
を溜め込む時期ですから晴れが続くことが望ましい。またこの時期に雨を運
んでくるものとは「台風」ですから、収穫前の稲にとってはこれまた大敵。
(「松茸は台風が運んでくる」という言い伝えもあるそうです。松茸は台風
大好き?)
確かに逆の条件のようです。
こうしたところから先に挙げたような諺が出来たようです。
◇さて今年は?
農林水産省が9/15に発表した2008年の稲の作況指数は全国平均で102。やや
豊作ということだそうです。
確かに今年は8〜9月にかけて日本に近づく台風はほとんどありませんでした。
どうやら今年の豊作競争では里に軍配があがりそうです。
ということは、松茸はやや不作か?
さてどうなりますか。
皆さんの食卓では里の実りと山の実り、はたしてどちらが豊作でしょう?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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