日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■二十三夜待ち
昨夜、夜半を回る頃、半月よりほんの少し丸みのある月が南東の空に昇って
いました。
今夜は昨日よりほんの少し月がほっそりして、丁度半分の月になります。
今夜は下弦の半月。
下弦の半月は旧暦でいえば二十三日頃、月としては
二十三夜の月 (にじゅうさんやのつき)
と呼ばれます。今日は旧暦の9/23日。今夜の月は二十三夜の月ということに
なります。
◇二十三夜塔
現在ではすっかり廃れてしまった行事ですが、昔は「月待ち(つきまち)」
と呼ばれる行事が日本各地で行われていました。
現在でも時折
二十三夜塔
という文字が刻まれた石塔を見つけることがあります。
これは、二十三夜待ちを行った人たちが造塔したものです。
一昨年、父の法事で実家のある福島県郡山市へ戻ったとき、法事の行われた
檀那寺の敷地内にこの「二十三夜塔」を見つけました。
私の生まれ故郷でもこうした行事が行われていたことがこの石塔で解りまし
たが、現在はこの行事は全く影も形もなくなってしまっています。
◇二十三夜待ち
二十三夜待ちと同じく、その他の日の月でも「○○夜待ち」と呼ばれる月待
ち(つきまち)行事があります。二十三夜待ちはその月待ち行事の中でもも
っとも有名で、もっとも普及した行事です。
二十三夜の月は、勢至菩薩(せいしぼさつ)の化身と考えられます。勢至菩
薩は阿弥陀如来の脇侍を勤める菩薩様で知恵を司る仏様です。
二十三夜に勢至菩薩を念ずれば万劫の罪が滅するという俗信があり、二十三
夜待ちはこの二十三夜の月の出を待ち勢至菩薩を祭る行事でした。
二十三夜の月待ちは殊に、正月・五月・九月(いずれも旧暦)に盛んに行わ
れたそうで、この日は個々人の家で、或いは何処かの家に近隣の人々が集ま
って酒食や長話などを楽しみながら勢至菩薩の化身である二十三夜の月を拝
したそうです。
二十三夜の月、すなわち下弦の半月といえば月の出は日付が変わる午前零時
頃。月待ちというからにはこの時刻まで起きて月を祀る行事と思われがちで
すが、そうではなくて月が出を待つのはもちろんのこと、月が出た後も、夜
が明けて日が出るまで夜を徹した行事だったそうです。
二十三夜待ちは人々には楽しみな行事であったと考えられますが、二十三夜
待ちを終えた二十四日の一日は、皆さんさぞかし眠くて辛い一日だったこと
でしょうね。
日が昇るまで起きて待つということですと、生活時間が昔に比べて遅くなっ
た感のある現在に生きる私たちでも少々辛いでしょうけれど、下弦の月が昇
る時刻までなら起きていらっしゃる方も多いことと思いますので、月の出を
待って、現代の二十三夜待ちを楽しんでみてはいかがでしょうか?
ちなみに本日の月の出は23時前後です。今の私たちからすればこの時刻はま
だまだ宵の口(?)ですよね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
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