日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■本日、半影月食 (2009/2/9)
1/31の「空の出来事」でも取り上げたので憶えているかたもいらっしゃると
思います(一人も憶えていなかった何てことは、ないでしょうね・・・)。
◇半影月食
普通、「月食」として取り上げられる月食は「本影月食」と呼ばれるもので、
今夜起こる半影月食は「月食」として取り上げられる事はあまり有りません。
本影月食と半影月食の差は何かというと、判りやすく言えば月面に立って太
陽を見上げたときに太陽が完全に地球によって隠される「皆既日食」が見え
る場所では本影食が起こっており、完全に隠されない「部分日食」がみえる
場所では半影食が起こっているのです。
本影月食と半影月食というと、
「ああ、皆既月食と部分月食のことですね」
と早とちりする方がいらっしゃいますがこれは違います。
皆既月食も部分月食もあの黒い影の部分はどちらも、本影による月食です。
誤解の無いように。
半影食が起こっている場所では、地球によって太陽の光が完全に隠されてい
るわけではないので、月はほんの少し暗くなったように見えるのですが、は
っきりと地球の陰に入ったようには見えません。
肉眼で見ると半影食はほとんど気が付かない現象のため、「月食」として取
り上げられることが少ないのです。
◇半影月食を見る、写す
半影食でも影に入る度合い(「食分」といいます)が大きい場合は、よく見
れば地球の影の中心に違い側が微かに暗くなっていることが肉眼でも判りま
すが、これは注意して見て始めて気付く程度。注意してみなければ見過ごさ
れてしまうでしょう。
これは、人間の目が優秀にも自動的に明るさの調整をしてしまうためで、月
が暗くなっていても「適切な明るさ」に調整してしまっているため、結果と
して気付かないことになってしまいます。
この点では、カメラの方がより素直というか正直なので、半影食でも写真に
は写りやすいです。もっとも最近のカメラは賢くなっているので、明るさを
自動補正してしまうために、それなりに意識しないと昔のバカ正直なカメラ
のようには写らなくなってしまっています(進歩することはいいことばかり
じゃないということでしょうか)。
◇今回の現象
今回の半影月食は 2/9の21時38分に始まり、2/10の 1時40分に終わります。
最も食分が大きくなるのは23時38分。この時には月の大部分が半影の中に入
っていますから、肉眼でも何となく暗くなっている部分が有るのがわかるか
も知れません。
今回の半影月食がどのように進むかは、Web こよみのページの次のページで
確認することが出来ます。
月食シミュレーション ( http://koyomi8.com/sub/meclips.htm )
2009年の「候補1」をクリックすると様子がわかると思います(いいわけで
すが、月の模様の向きは実際と異なります。この点はあまり当てになさらな
いでください)。
さてさて今夜の半影月食、時間は判ったし状況も判りました。
問題が何かあるとすれば、後はお天気のみ。
さて、今夜の天気は?
晴れることを期待して、月を見上げることにしましょう。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.sp@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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