日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■ゴールデンウィーク 2010
いよいよ今年もゴールデンウィーク(黄金週間)と呼ばれる期間になりまし
た。日刊☆こよみのページ購読中の皆さんの中にも、この期間は海外脱出な
んていう方もいらっしゃることと思います。
あるいは、ゴールデンウィークなんて関係有りませんという方も。こもごも
ですね。
◇ゴールデンウィーク
この呼び名はその昔、映画業界が連休で映画館へ足を運ぶ人が大幅に増加す
るということから名付けたもの。映画業界の業界用語だったのです。
昭和26年にこの春の連休時期に上映されていた映画「自由学校」がヒットし
て盆や正月以上の興業収益を上げたことから、当時の大映専務松山英夫氏が
多くの人に映画を見てもらうよう、PRするための言葉として考えたものだ
といいます。
当初は「黄金週間」と呼んだようですが、インパクトが小さいという理由で、
「ゴールデンウィーク」
と変更されたとか。和製英語です。
最近では、特定の業界のPRになってしまうとか、長すぎるとかの理由で、
使われない場合も出てきています。インパクトを強くするために作られた言
葉は、毎度使われるうちに陳腐化してインパクトが無くなると、かえって使
いにくい言葉になってしまうようです。言葉にも寿命があるのですね。
◇ゴールデンウィーク今昔
今年(と去年)のゴールデンウィークと、これが生まれた昭和26年当時のゴ
ールデンウィークを並べてみてみましょう。
今年(2010年) 去年(2009年) 昭和26年(1951年)
4/28 4/28 土曜日
4/29 昭和の日 4/29 昭和の日 4/29 天皇誕生日(日曜日)
4/30
5/01 土曜日
5/02 日曜日 5/02 土曜日
5/03 憲法記念日 5/03 憲法記念日 5/03 憲法記念日
5/04 みどりの日 5/04 みどりの日
5/05 こどもの日 5/05 こどもの日 5/05 こどもの日
5/06 5/06 振替休日 5/06 日曜日
5/07
5/08 土曜日
5/09 日曜日 5/09 土曜日
5/10 5/10 日曜日
昭和26年当時は現在のみどりの日も、振替休日制度も有りませんでしたから
現在から見ると寂しいゴールデンウィークでしたね。かてて加えて現在は学
校・官公庁が週休二日の制度をとっていることから、土曜日がこの日からお
休みという方も増えたことでしょうから、休みが連なりやすくなりました。
昭和26年当時だと、土曜日はまだ休みでは無い方がほとんどだったはずです
から、ゴールデンウィークとは云いながら今から見ると大分淋しいものだっ
たのが分かります。
◇ゴールデンウィークの過ごし方?
ゴールデンウィークの語源が映画業界から発生していることから考えても、
当時はこの時期に映画館で新作映画を楽しむという過ごし方を多くの方がし
ていたことが分かりますが、現在は長期の旅行や、帰省に使うという方も増
えていることでしょう。
過ごし方の変化は、それだけ日本が豊かになったことを反映しているのでし
ょうが連休の変化という面で考えても、過ごし方の違いが判る気がします。
ゴールデンウィーク今昔でも書いたとおり、この語が生まれた頃は大型連休
というより、「大型飛び石連休」であまり連続した休みは取れなかったこと
から、長期の休みというのはとりにくかったのではないでしょうか。
振替休日や国民の休日は、連休を増やす目的で作られた制度ですからそれが
有る現在は、大型連休化するのは当然といえば当然ですね。
◇さらに伸びます
ゴールデンウィークという言葉自体は衰退期に向かっているようですが、当
のゴールデンウィーク自体はまだまだ伸びる方向に。
俗に「昭和の日法案」と呼ばれた祝日法の改正の結果、振替休日の取り扱い
も2007年からは微妙に変更されていて、以前は月曜日だけが振替休日になっ
ていたものが、それ以外の曜日も振り替え休日となる場合も出てきます。昨
年の 5/6(水曜日)が振替休日になっているのなどがその例です(今年は関
係なかったです)。
また、休日と休日の間の平日に年次休暇などを取得して「私的」に連休を大
型化させるといったことも、今では大分あたりまえに行われるようになって
きましたから(今年は、4/30も休みですという方も多いのでは?)、ゴール
デンウィークは伸びて行きます。さてさて何処まで育ちますやら。
今年の私はといえば、カレンダーどおりのゴールデンウィークなので、連休
となるのは
4/29 と 5/2〜5/6の間
となります。カレンダーどおりといっても結構長い休みに明日から入ります。
しかしゴールデンウィークに突入して仕事は休みでも、この日刊☆こよみの
ページの発行は休み無し。あんまり朝寝坊は出来ません・・・。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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