日刊☆こよみのページ スクラップブック
(PV , since 2008/7/8)
■観蓮節
今日(2011/07/24)の旧暦の日付は六月二十四日。
その昔の中国(まだ太陰太陽暦、いわゆる旧暦が使われていた頃の)では、
六月二十四日は観蓮節(かんれんせつ)と呼ばれ、蓮の花が開く様を眺める
観蓮会が開かれたそうです。
この中国の風流な行事は、江戸時代の儒学者たちによって日本にも紹介され
て、上野の不忍池催されたことが有っそうです。
現在でも全国の蓮の名所ではこの観蓮節の日付の近辺・・・旧暦の日付だっ
たり、旧暦の6/24をそのまま新暦の6/24としたり、月遅れの7/24だったり、
あるいはこうした日付に近い週末等々・・・に観蓮会が開かれることが多い
ようです。
お近くに蓮の名所と呼ばれるようなところが有れば、観蓮会が開かれている
かどうか調べてみるのもよいかも。
まあ、そうした特別な会、特別な場所でなくともこの時期は蓮の花の咲く時
期ですから、ご自分であの大きな葉っぱを目印に蓮の在処を見つければ、蓮
の花を楽しむことは出来るはずです。
早起きして、蓮の葉に朝露が輝く頃に自分だけの観連会と洒落てみるのも楽
しいと思います。
◇古代から蘇ったハス
日本の蓮といえば、大賀ハスの名前を思い出します。
大賀ハスは1951年にハスの研究者であった大賀一郎博士が千葉県千葉市検見
川の落合遺跡(縄文時代の遺跡)からハスの実 3つを発掘し、この2000年以
上前の蓮の実の 1つが翌年見事に発芽し、花を咲かせた(1952/07/18開花)
もの。
ちなみに、同遺跡から発見された古代の丸木船の木は放射性炭素年代測定の
結果、3000年以上前に生きていた木であることがわかっています。ハス自体
の年代はというと発芽実験のため 3つとも使われたため測定されておらず、
はっきりとはわかっていないそうですが、丸木船の木から1000年後と考えて
も、2000年々以上昔、弥生時代以前のハスであることは間違い有りません。
一粒の実から芽を出し花開いた大賀ハスですが、現在ではその子孫が全国各
地(海外も含め)で栽培されています。調べてみたら皆さんのお近くでも案
外簡単に、この古代の蓮の花を楽しむことの出来るところが見つかるかもし
れませんね。
昔々の中国から伝わった観蓮節の日に、もっともっと古い時代に日本の地で
花を咲かせていた蓮の子孫の花で観蓮会なんて出来たら、時を超えた夢を楽
しめる気がしませんか?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
日刊☆こよみのページ スクラップブック