日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■二日続きの「一粒万倍日」(その2)
昨日と今日と、暦注の一つである一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)が二
日続きで登場しました。
こんな風に同じ暦注が二日続きで登場すると
「計算間違ってませんか?」
と心配してくださる方がいらっしゃるのですが、ご心配なく。間違いではあ
りません。
◇一粒万倍日はいつ?
一粒万倍日がいかなる日であるかは、既にこの暦のこぼれ話でも一度取り上
げていますから、忘れてしまったと言う方は、
暦注の話 ・・・ 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
(http://koyomi8.com/doc/mlwa/200703090.htm)
でおさらいしてください。
◇二日続きの一粒万倍日
前述の「暦注の話 ・・・ 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」からそ
の計算方法、撰日法(せんじつほう)の箇所を抜き出してみると、
一粒何倍日は節月と日の十二支とで決まり。その組み合わせは次の通り。
正月・・・丑と午の日 、 二月・・・寅と酉の日
三月・・・子と卯の日 、★四月・・・卯と辰の日
★五月・・・巳と午の日 、 六月・・・午と酉の日
七月・・・子と未の日 、 八月・・・卯と申の日
九月・・・午と酉の日 、★十月・・・酉と戌の日
★十一月・・亥と子の日 、 十二月・・子と卯の日
さて、日の十二支の箇所をよく見てください、二連続になる十二支の並びが
ありますね(該当する月の頭に「★」を付けてみました)。
こうしてみると、一粒万倍日はその撰日法から、一年のうちの 1/3の期間は
二日続きで登場することになります。
二日続きの一粒万倍日は、案外頻繁にあるものなのです。
なぜこんな連続した日を選んだのかといわれると、これは困った。
一粒万倍日という暦注を「発明」した昔々の何処かの誰かが、考えだし踏襲
されて来たわけなので、その何処かの誰かになぜそうしたかたずねるしかな
さそうです。
◇節月の区切りで起こる二連続
さて、二日連続で一粒万倍日が生まれる月(一粒万倍日の撰日法でいうとこ
ろの暦月は二十四節気の節気で区切られた「節月」です)が四、五、十、十
一月とわかりました。では今回は?
連続した昨日と今日の節月を見てみると、昨日は六月、今日は七月。
あれ、★印を付けた月と違う。それどころか両日の節月自体が異なっている
じゃありませんか。
実は「両日の節月が異なる」が今回の連続した一粒万倍日誕生の理由。
節月で表すと昨日は午の日。今日は七月の未の日。
節月六月は「午と酉」、七月は「子と未」の日が一粒万倍日なので、節月の
切り替わりの場所で
六月の午の日 → 七月の未の日
と連続した一粒万倍日が出来たというわけです。
節月の切り替わりの箇所でこのような現象が起こる可能性は、全部の月にあ
ります。どの月とどの日の十二支の組み合わせに成るのか、皆さんも考えて
見てください。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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