■月見団子のいろいろ 今夜はいよいよお月見です(台風17号が・・・)。 ということで、最後に再びお供え物の話です。 2007年に日刊☆こよみのページで、読者の皆さんに 「中秋の名月のお供え物は? (主とするもの) あなたの家のお供え物を教えてください(複数ある場合は、主のもの)」 としてアンケートをお願いした結果からお供え物の定番を探ってみましょう。 ◇2007年のアンケート結果の発表 以下、2007/09/19〜09/25 のアンケート期間中のデータです。 総票数 133 1位 ダンゴ(真ん丸な形) 93票 (69.9%) 2位 その他の供え物 14票 (10.5%) 3位 サトイモ(里芋) 10票 ( 7.5%) 4位 わからない 8票 ( 6.0%) 4位 ダンゴ(芋の様な形) 8票 ( 6.0%) となりました。 丸い団子がトップかなとは予想しておりましたが、結果は予想以上にダント ツ。これに次ぐかなと考えていた「芋のような形の団子」は最下位、6%と予 想外の展開でした。 このアンケートは「お供えをする場合」と限定したので、こうした結果に落 ち着きましたが、「お供えはしない」という方も多いようでした。 お供えをするかしないかということもアンケートして見る必要があるかもし れませんね。 芋のような形の団子が、関西圏では多いのでは無いかと予想していたのです が、これは少なかった。この理由として考えられるので、関西圏でも自分で 団子を作るのでは無くて、既製品を買ってくるという方が大部分だからでは 無いかと考えています。 大量に作ると言うことからすると、丸い団子が適しているでしょうから、売 り物として作る場合、どうしても丸団子が多くなってしまっているのではな いでしょうか。 ◇皆様からの「お供え物(月見団子)情報」 今週は読者の皆さんに、各地の月見団子情報をお願いしておりましたが、こ れについて4通のお便りを頂きましたので紹介致します。 【名古屋】(足立さんから) > 名古屋の月見団子は片方がとがった芋の形。 > 自然の茶色と、皮を剥いた白までは納得できます。 > それになぜか、ピンクがあるんです!! > > 数にこだわりもなく、ピンクの理由も分かりません。 > だから子供の頃、花見団子と月見団子の区別がつきませんでした。 > どちらも三色、串の挿してあるものと形が変わっているもの。 > 色の違いは黄緑と茶色。 > > 子供から見たら、よく分かりませんし、親も分かっていませんでした。 > > でも、ここにピンクが入るところがいかにも名古屋って感じがします。 > いつからピンクが入るようになったかは不明ですが、 > 供えるものを派手にしようってことかな? > 茶色と白じゃ地味すぎるって思われたんじゃないかと想像します。 > > おそらく3色は全国的にも珍しいと思います。 (後略) 【栃木県】(諏訪市の島田さんから) > 栃木県真岡市で70年前に言い伝えられていたこと。 > [十五夜には一升の粉で15個の団子を作り13夜には13個の団子にまとめる] > 故に13夜にはおむすびほど大きな団子を飾りました。 【東京】(浜こじきさんから) (前略) > 実家(東京)では15個でした。 > 毎年ススキを飾りました。 > お団子をくるくるまるめて作って丸いお皿の上に飾り、 > 残ったお団子はあんこ(粒あん)をつけて食べました。 (後略) 【お供え物写真】(横浜のかのんさんから) > お供え物、きれいに撮れてはいないのですが・・。 > > 1.月見団子と衣被(きぬかつぎ)です。 http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2012/tsukimishitsurai.jpg http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2012/kinukatsugi.jpg > 月見団子は自家製なのでちょっと不揃い。 > 衣被は小さい里芋を皮をつけたままゆでたもの。 > 中秋の名月のお供え物とのことで作ってみました、 > とはいっても、とても簡単。 > > 2.里芋の小芋の形をした和菓子です。 http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2012/satoimo.jpg > うえに孫芋がのってます。 > 京都の和菓子屋ではよく見かけるらしいです。 > これは和菓子教室で作りました。 > > 3.最近はうさぎも定番になってきてるようです。 http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2012/usagimanjyuu.jpg > これも自家製。 足立さんからの「名古屋の三色月見団子」は初耳の情報でした。 一度見てみたいものです。 島田さんと、浜こじきさんからは団子の数の情報を頂きました。 どちらも十五夜の団子は15個のようですね。 一升の粉から15個(十三夜用には13個)の団子を作るということは、話とし ては知っていましたが、一升の米粉で15(ないしは13)個の団子を作ったら 随分大きくなるけど、本当に一升も使ったのかな・・・とやや疑問に思うと ころがありました。現実に一升の粉を使って大きな(巨大?)団子を作った んですね。 最後に紹介したかのんさんからは、お供え物の写真を送って頂きました。 「自家製なのでちょっと不揃い」とありましたが、ご謙遜でした。 最後のうさぎ饅頭は、食べるのがかわいそうかも・・・。 ◇それはさておき、今晩の月は? さてさて、気合いを入れて月見団子に里芋にススキにとお供え物をそろえた としても、肝心のお月様が見えるかどうか。 見えても見えなくとも、お月様にお供えされた団子だけは、ありがたく頂こ うと思っています。 ああ、かわいそうだけど、うさぎ饅頭も食べてみたいなと思う、かわうそで した。 (『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、 magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)日刊☆こよみのページ スクラップブック