日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■2014年の正月と三月は新月が二回
本日は、読者の方(中園さん)からご提案頂いた話の種からの暦のこぼれ話
です。
◇2014年の元日は新月
来年の元日は新月に当たっていて、旧暦は十二月の一日ということになりま
す。偶然ではありますが、一年の始めの日である元日が、月の満ち欠けのサ
イクルの始まりに一致しているというのは何となく嬉しいですね。
そういえば、現在新暦と呼んでいるグレゴリオ暦の元になったユリウス暦の
最初の年の1月1日は、それ以前に使われていたと考えられる太陰太陽暦との
整合性を意識(「ある程度」というほどですが)して、新月に近い日をえら
んだのでは無いかと考えられていますから、ある意味「先祖返りした年」と
いうことも出来そうです。
ちなみに、近年で元日が新月と一致する年は、
1900,1911,1957,1976,1995,2014,2033,2071,2090,2109,2120,2139
の各年です(1900〜2150年の間で調べた結果)。
◇2014年は正月に新月が二回
2014年の元日は新暦と書きましたが、新暦の正月は大の月で31日までありま
すから、元日が新月ということは正月のうちにもう一度新月の瞬間を迎えそ
うです。
実際に2014年は1月31日にもう一度新月となります。
先に書いた元日が新月に当たる年は全て正月の間にもう一度新月の瞬間を迎
えます。
◇2014年の 2月には新月が無い
さてさて、正月に新月が二度ある年はのほとんどでは、 2月に新月が一度も
ないということになります。
これは正月の二度目の新月の日付が正月の31日か30日と、月末ぎりぎりの日
付となることと、 2月の日数が28日ないしは29日と月の満ち欠けの周期(朔
望周期)より少ない日数しか無いためです。正月の末に新月が来ると、次の
新月は二月をまたぎ越して、 3月の初めにあらわれることになってしまいが
ちなのです。
ちなみに、2014年はこのパターンで、 1月31日の新月の次の新月は 2月には
無く、3月1日となります。
先にあげた12の年の中で、 2月に新月がある年は2120年の 1年だけで、あと
の11の年は、 2月に新月の日がありません。
◇ということは?
元日が新月となる年の多くは、 2月には新月が無く、 3月の始めに新月とな
るということは、 3月も31日まである大の月ですから、 3月にも新月が二度
ありそうな気がしますが、どうでしょう?
そのとおりです。
元日に新月がある年で 3月に一度しか新月が無いという年は、 2月に新月が
ある2120年だけで後は全て、 3月も二度の新月を迎える月となります。
2014年の場合は、3月1日と31日が新月の日です。
◇ちょっとイレギュラー
調べた1900〜2150年の間で、正月に二度の新月がある月で、元日以外が新月
となっていない年が一つだけありました。1938年がその年です。
この年は、正月の 2日と31日が新月でした。ついでにこの年は 3月には新月
が一度しかありませんが、代わりに 4月に新月が二度あります。
ちょっとだけ、イレギュラーな年でしたね。
元日が新月となる年は、2014年の後は2033年、その次は2071年。特別な意味
があるわけではありませんが、「なんだか珍しい年だな」とだけ覚えておけ
ば、お正月の話の種にはなるかもしれませんね。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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