日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■年来立春、新年立春、空穂年(うつぼどし)
ちょっと気が早い話ですが、今日は来年の旧暦の年についての話です。
旧暦の年の話というと、「旧暦の一年は立春から」といった誤解があること
は、日刊☆こよみのページでは既に何度か採り上げていますが、今日の話は
この立春と旧暦の年とにまつわる話です。
◇年内立春と新年立春の狭間の年
旧暦の年が変わる前、旧暦の十二月の内に立春を迎えてしまうことを年内立
春(ねんないりっしゅん)といいます。
これに対して、年明け後に立春を迎える年を新年立春と呼びます。
今年、2015年の旧暦の一年は2015/02/19〜2016/02/07の期間です。
そして、2015年と2016年の立春の日を調べると、どちらも 2/4日ですから、
2015年の旧暦の一年の間に含まれる立春は2016/02/04の立春で、この日の旧
暦日は十二月二十六日となります。つまり、2015年の旧暦年は年内立春の年
ということになります。
では、年内立春に対する新年立春はいつかというと、次にやって来る新年立
春の旧暦年は、新暦の2017/01/28〜2018/02/15までの期間にある年、旧暦の
2017年(旧暦2017年と便宜的に書く度に、なんだか変な気分になります。旧
暦といいながら西暦年を使っているから。便宜的にと断りながらもやっぱり
ちょっと変。さすがにこの時代に皇紀と書くのも変だし。かわうその独り言
でした)がその年に当たります。
次の新年立春の年が2017年(旧暦の)ということは、来年2016年は年内立春
の年なのかな? と思うと、さにあらず。年来立春の年でもありません。
旧暦2016年の期間は、新暦では
2016/02/08〜2017/01/27
の期間。2016年も2017年も立春の日は 2/4なので、来年2016年(旧暦)の期
間内には立春の日が一度もありません。こうした、立春の日を含まない一年
は「空穂年(うつぼどし)」と呼ばれます。
◇空穂とは
【空穂】
空穂また靫(「靱」と書くのは誤用)
矢を盛って腰に背負う用具。
中空の籠かごで、時に毛皮をつけて(後世は張子で漆塗のものもある)矢
が雨に濡れるのを防ぐ。うつお。羽壺。
《広辞苑・第六版より抜粋》
だそうです。「だそうです」といわれても、まず目にすることのないものな
のでイメージが分かりませんね。インターネットで探したところ次の記事に
実際の空穂の写真がありました。
KenさんのBLOGS (2008/10/09)
⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/kuroken3147/archive/2008/10/09
(Ken さん、分かりやすい写真の掲載、有り難うございました。)
なるほど。上下どちらも中空となった容器、つまり間に「節」(立春は正月
節で、一年の節目とも考えられます)が無い年なのでこの容器になぞらえた
呼び名のようです。
旧暦の2016年は、立春という節目のない空穂の年なのでした。
◇節が二つある年は?
旧暦2016年のように一度も立春のない年があるかと思えば、その翌年の2017
年のように年に二度もある年もあります。立春が一度もない年は「空穂年」
と呼ばれますが、では二度ある年は何というのかな?
そうした年のことを何と呼ぶのか、浅学にして知らないかわうそです。
どなたか、ご存じなら教えてください。そしたら、今日の空穂年の続編が書
けますからね・・・。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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