日刊☆こよみのページ スクラップブック
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■2019年、夢のGW10連休
来年に迫った今上天皇陛下の退位と皇太子殿下の即位に伴う準備を行う「式
典委員会」の設置が10/12 の閣議で決定されました。
また、これに関連して来年(2019年)の「即位の日」(5/1)と「即位礼正殿
の儀」(10/22)を、この年限りの祝日とする方針が発表されました。
法律の整備は、これから行われるのでしょうけれど、これで2019年の4月〜
5月にかけてのGW(ゴールデン・ウィーク)が夢(か悪夢か)の10連休とな
ることが、ほぼ確定いたしました。
個人的には、カレンダーの一段(1週間)全部が赤く塗りつぶされる様を見
てみたいとは思っていたのですが、壮観でしょうね。
◇10連休出現の仕組み
10連休の説明は、土曜日も休日となるという想定での話です。
(土曜日は休みじゃ無いよという方々には、ごめんなさい)
一昨日の政府からの発表があるまでは、「即位の日」の5/1は、単なる「休
日」となるのか「祝日」になるのかが分かりませんでした。
もし、5/1が単なる「休日」である場合は次のようになります。
(先頭の ◎は祝日、○は休日、×は平日を表します)
※「即位の日」 5/1 が単なる「休日」扱いの場合
○ 4/27 (土)
○ 〃28 (日)
◎ 〃29 (月)祝日「昭和の日」
× 〃30 (火)
○ 5/ 1 (水)休日「即位の日」
× 〃 2 (木)
◎ 〃 3 (金)祝日「憲法記念日」
◎ 〃 4 (土)祝日「みどりの日」
◎ 〃 5 (日)祝日「こどもの日」
○ 〃 6 (月)休日(振替休日)
ご覧のとおり、即位の日が単なる休日になった場合は4/30と5/2は平日とな
って、この期間は10連休ではなくて、大型の飛び石連休(この間の連休の最
長日数は5/3〜5/6の4日)となります。
では、5/1の即位の日が単なる休日扱いで無く、「祝日」となるとどうなる
かというと、
※「即位の日」 5/1 が「祝日」扱いの場合
○ 4/27 (土)
○ 〃28 (日)
◎ 〃29 (月)祝日「昭和の日」
○ 〃30 (火)休日(国民の休日)
◎ 5/ 1 (水)祝日「即位の日」
○ 〃 2 (木)休日(国民の休日)
◎ 〃 3 (金)祝日「憲法記念日」
◎ 〃 4 (土)祝日「みどりの日」
◎ 〃 5 (日)祝日「こどもの日」
○ 〃 6 (月)休日(振替休日)
となります。
最初の例との差は、4/30と5/2が「国民の休日」となってお休みとなること。
これは、「国民の祝日に関する法律」第三条3にある次の条文によります。
『その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日
に限る。)は、休日とする。』
つまり、即位の日が祝日となると
4/30 ・・・ 前日が「昭和の日」、翌日が「即位の日」である日
5/ 2 ・・・ 前日が「即位の日」、翌日が「憲法記念日」である日
となって、この条文の「休日とする」という規定に合致することになりま
す。この「国民の祝日に関する法律」第三条3の規定による休日は、一般
に「国民の休日」と呼び習わされているので、私もこの呼び名を使ってい
ます。
◇壮観ですが
今上天皇陛下の「即位礼正殿の儀」などの例を見ると、祝日では無くて単な
る休日の扱いであったことから、どうなるのかなと思っていましたが、今回
は祝日とするんですね。
折角の連休にケチをつけるみたいで申し訳無いけれど、何となくまたまた、
大型連休が出来れば、観光産業などを中心に
国民の消費活動が活発になるに違いない
といった、経済重視、あるいは人気取り政策としての「祝日化」の様な気が
して・・・。
「国民の祝日に関する法律」の第一条(意義)には、
『自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよ
き社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞつて祝い、
感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。』
というところが、なんか抜け落ちてしまっている様な気がするのですが。
まあ、そんなことをぼやきつつも、大型連休の恩恵はしっかり受け取ろうと
思っているかわうそですが。
さてさて、今回の発表の内容が正式に法律に反映されて、確定したらこよみ
のページの万年カレンダースクリプトなど、プログラムを直さないと。
私の作業は大したことは無いのですが、カレンダーや手帳を作っている皆さ
んは、大変なことになりそうですね。
2019年のGWの夢の10連休は、人によっては悪夢の10連休かな?
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、
magazine.std@koyomi.vis.ne.jp までお願いします。)
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