暦と天文の雑学 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0332.htm http://koyomi8.com/ こよみのページ
←目次へ戻る  ☆この記事の評価は記事末
日本の祝日の変遷
    1948年(昭和23年)に作られた国民の祝日に関する法律(長いので以下では「祝日法」と呼びます)が作られ、 9日の祝日が生まれて以来祝日は漸増して2016年からは16日の祝日に至りました。
 16日もあると、こよみのページなんていいうWeb サイトを作っている私のようなものですら、

  あれ、次の祝日は何だったかな?

なんて思うほどになってきました。
その上近頃はハッピーマンデー法だとか、振替休日だ国民の休日だと祝日法の改正が多く、混乱に拍車をかけています。そろそろ整理しておいたほうがよさそうな時期ですので、祝日の変遷を書いてみました。
  1. 祝日の日付の一覧を知りたい? 
    「仕事で来年の祝日一覧が欲しい」

    といった要望が意外と多いことから、指定した年の祝日及び振替休日、国民の休日の日付一覧を計算するページを作ってみました。

    現在の日本の祝日日付一覧計算 
    http://koyomi8.com/sub/syukujitsu_table.htm

    がそのページです。左の目次からは、
     その他の暦日計算 → 現在の日本の祝日日付一覧計算 
    とたどってください。
    1949(S24)〜2052(H64)年までの間の指定された年(〜 3年)の祝日法に基づく祝日・休日の日付一覧を作成します。自作のカレンダー作成などにお使い下さい。
    また祝日の内容については、

     祝祭日一覧 http://koyomi8.com/syukujitsu.htm

    などをお読み下さ。
  2. 日本の祝日の成長記録 
    さて、祝日の日付の一覧は上記のページなどで行ってもらうとして、その一覧がどうやって出来ているかを確認するためにも、1948年に祝日法が出来て以来の祝日の変遷を通覧してみようと思います。以下の説明と共に登場する表は新しく追加された祝日や日付の変化した祝日とその日付です。

    同じ日付でも祝日の名前が変わったもの、日付が毎年変わるもの等々様々ですので表が少々複雑になっていますが、基本的には日付が書き込まれた年からその祝日が登場し「→」のある部分はその祝日が有効であることを示しています。途中で廃止された祝日は無くなった年に「▲」を入れて示しています(その祝日は▲の年までは有効だったことを示します)。
    「1/15*」のように日付の後に「*」が付いている場合は、法的にはその年から追加されたが、実際に祝日が登場するのは翌年である場合(たとえば 1/15を祝日とする法律がその日付以後の 7/1に成立した場合など)を表しています。
    じっくりご覧下さい。

    (次に登場する「祝日の変遷表」と併せてご覧ください)。
      祝日の成長記録 
    1. 黎明期(誕生期)・・・昭和23年 (1948)
      黎明・一次成長期新しい祝日法が施行され、次の 9日の祝日が誕生しました。
      「元日」「成人の日」「春分の日」「天皇誕生日」「憲法記念日」「こどもの日」「秋分の日」「文化の日」「勤労感謝の日」
      なお、この年の「元日」〜「こどもの日」は、法律施行前の日付でしたので、最初の出現は翌年(昭和24年)からとなりました。
    2. 一次成長期・・・昭和41年 (1966)
      次の 3日の祝日が追加され、祝日は12日となりました。
      「建国記念の日」「敬老の日」「体育の日」
      なお、「建国記念の日」の初出は翌年(昭和42年)です。
    3. 振替休日の誕生・・・昭和48年 (1973)
      祝日と日曜日が重なった場合、その翌日が「休日」となりました。いわゆる「振替休日」です。
      最初の適用はこの年の天皇誕生日でした。
    4. 国民の休日誕生・・・昭和60年 (1985)
      祝日と祝日に挟まれた平日がある場合、その日が「休日」となる、いわゆる「国民の休日」が生まれました。当時は、憲法記念日とこどもの日に挟まれた 5/4を休日とするために作られたことが見え見えの規定でした。
      最初に適用されたのは 3年後の昭和63年の 5/4でした。
    5. 二次成長期(1)・・・平成元年 (1989)
      二次成長・混乱期「みどりの日」の追加と「天皇誕生日」の日付の変更があり、祝日は13日に。
      この年は昭和から平成へと変わった年。これにあわせて天皇誕生日が昭和天皇の誕生日から今上(平成)天皇の誕生日に変更となりましたが、昭和天皇の誕生日は「みどりの日」として残されることになりました。結果として祝日は 1日追加された形となりました。
    6. 二次成長期(2)・・・平成 7年 (1995)
      「海の日」が追加され、祝日は14日となりました。
    7. 混乱期?・・・平成12年 (2000),平成15年(2003)
      俗に「ハッピーマンデー法」と呼ばれる祝日法の改正が 2度行われ次の 4祝日が日付固定の祝日から移動祝日となりました。
        1度目は、「成人の日」(1月の第2月曜)、「体育の日」(10月の第2月曜)
        2度目は、「海の日」(7月の第3月曜)、「敬老の日」(9月の第3月曜)
      祝日が月曜日となって連休は増えましたが、その記念日が何を記念した日なのかという意味は判りにくくなった気がします。
    8. 三次成長期・・・平成19年 (2007)
      みどりの日となっていた昭和天皇の天皇誕生日が「昭和の日」と名称を変え、押し出されるような形で、「みどりの日」が 5/4に変更となりました。結果として祝日は 1日追加されて全15日となりました。
      なお、同時に「振替休日」に関する規定も若干変更となり、振替休日ができる場合、振替は翌日の月曜日以外にも移動できるようになりました。これは、5/3〜5/5の 3日間、祝日が連続するようになったため、これに対応するためになされた修正だと考えられます。
    9. 三次成長期(2)・・・平成28年 (2016)
      三次成長・狂騒年「山の日」が追加され、祝日の日数は16日となりました。
      月遅れのお盆の休みに隣接した休日として考え出されたようですが、8/12は御巣鷹山に日本航空123便が墜落した日であることから8/11と1日ずらされたようです。
    10. 東京オリンピック狂騒の年・・・令和2年 (2020)
       2019年5月1日から元号は平成から令和に変わりました(天皇誕生日も 12/23 から 2/23 に変わりました)。
       また、この年の7〜8月に東京オリンピックが開かれるため、開会式や閉会式の日程に合わせた連休などを設けるため、3つの祝日がこの年だけ特例的に日付が変更されてしまいました。
       割をくってしまった可哀そうな祝日とその日付は次の通り。
      • 「海の日」 7月の第3月曜日から 7/23 に変更
      • 「体育の日」改め「スポーツの日」 10月の第2月曜日から 7/24 に変更
      • 「山の日」 8/11 から 8/10 に変更
       皆で東京オリンピックを盛り上げようという気持ちはわかりますが、そのためだけに国民の祝日の日付をいじりまわすのは、勘弁してほしいですね。
       ちなみに、この年(2020年)から慣れ親しんだ「体育の日」という祝日の名は「スポーツの日」に変わりました。
    以上、現在の祝日の「成長記録」をたどってみました。
    次に掲げる祝日変遷表はこれまで見てきた「成長記録」を一つにまとめたものです。じっくり見るとより理解しやすくなると思います。
  3. 祝日変遷表 
  4. 祝日の変遷(1948-2020)
  5. 移動祝日 
    祝日の多くは日付が固定されていますが、そうでない祝日もいくつかあります。現在のところ次の 6つが日付の変化する祝日です。

    日付が移動する祝日
    日付祝日名備考
    1月第2月曜日成人の日〜1999までは、1/15
    3月21日頃春分の日概ね「春分日」
    7月第3月曜日海の日〜2002までは7/20,2020年は7/23
    9月第3月曜日敬老の日〜2002までは、9/15
    9月23日頃秋分の日概ね「秋分日」
    10月第2月曜日体育の日〜1999までは、10/10
    10月第2月曜日スポーツの日2019までは「体育の日」。2020年は7/24
    このうち、春分の日秋分の日は閣議を経て日付が決められ、前年の 2月の官報で公示されて日付が確定することになっていますが、2020年現在までのところは全て太陽が春分点・秋分点を通過する春分日・秋分日という日に設定されていることから、今後も同様となると予想されます(こよみのページの「万年カレンダー」は、この予測の下に計算しています)。

    成人の日」「海の日」「敬老の日」「体育の日」の 4つは祝日を週末の休みと繋げて連休化しようという目的で作られた俗にハッピーマンデー法と呼ばれる法律によって移動祝日となったものです。「連休を増やす」ためなら他の祝日も移動祝日にしても良さそうですが、そうはならずこの 4つだけが選ばれたのは意地悪な見方をすると、
     この 4つの祝日の日付には深い意味がなかった 
    と暗にいっているように見えてしまうのですが。真実は如何に?
  6. 一年だけの祝日 
    祝日変遷表には入れていませんが、祝日の中には「一年だけの祝日」というものがありましたのでこれも書いておきましょう。次の表がその一覧です。
    一日だけの祝日一覧 (1948〜2020現在)
    月日名称・行事
    昭和34年(1959)4/10皇太子明仁親王の結婚の儀
    平成元年(1989)2/24昭和天皇の大喪の礼
    平成 2年(1990)11/12即位礼正殿の儀
    平成 5年(1993)6/09皇太子徳仁親王の結婚の儀
    令和元年(2019)5/01即位の日
    令和元年(2019)10/22即位礼正殿の儀

    ご覧のとおり、国(というか皇室)の重要な儀式などが行われる時に一年限りの祝日が作られています。
    単発なので、次は何時何が祝日になるかはわかりません。
  7. 「振替休日」と「国民の休日」 
    祝日法の第三条に「休日」の定めがあります。
    三条には1〜3項まであります。いろいろ書くよりこの第三条を読んで頂くのが早そうです(下記参照)。
      第三条(休日)
    1. 「国民の祝日」は、休日とする。
    2. 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
    3. その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。
    1 は言わずもがなの内容ですので、説明はしません。
    2,3 はただ「休日とする」とあるだけなのですが、一般にはこれを区別して、

    2の休日 ・・・ 振替休日
    3の休日 ・・・ 国民の休日

    と呼ぶことがあります。
    2 の振替休日は1973/4/29(当時の天皇誕生日)に適用されその翌日が休日となったのが最初です。それ以後2006年の末までは必ず月曜日になっていましたが、法律の一部改正によって2007年からはそれ以外の曜日も振替休日となるようになりました。月曜以外が振替休日となった最初の例は2008/5/6 火曜日です。

    3 の国民の休日は1988/5/4(憲法記念日とこどもの日の間の日)に適用されたのが最初。当時はこの休日の適用を受ける可能性のある日は 5/4以外に無く、この日を休日にすることによって 5月の連休の大型化を狙って制定されたものと思われる。
    2007年からは 5/4が祝日(みどりに日)になったため、国民の休日となることは無くなりましたが、ハッピーマンデー法によって敬老の日が 9月の第 3月曜日となったことから、まれに敬老の日と秋分の日に挟まれた国民の休日が出現することになりました。
    2008年現在の祝日法に基づいて、国民の休日となる可能性のある年月日を2050年まで計算すると次の 7日となります。

     2009/9/22, 2015/9/22, 2026/9/22, 2032/9/21
     2037/9/22, 2043/9/22, 2049/9/21 (いずれも火曜日)

    上記の 7日はいずれも敬老の日と秋分の日に挟まれた日です。

現在の祝日法による祝日(と休日)の変遷を見てきました。
当初は 9祝日からスタートした祝日も現在は16に増え、さらに振替休日や国民の休日も加わりました。

長く歴史が続けば記念日も増えますから祝日が漸増するのは当然なのでしょうが、今回この記事を書きながら感じたのは、国民にとって重要な記念日としての祝日ではなく、単に休日を増やすという目的のために乱発され、あるいは日付が変更され(いわゆるハッピーマンデー法など)るなどして、本来の祝日の意味が混乱し、失われつつあるのではということです。

休日を増やしたいなら、そうした休日を作ればよく(祝日法第三条に 4項を追加してもいいか?)、意味不明の祝日を作って対応するようなことはやめて、祝日は本来の目的通り、国民がその日の意味を考え、挙って祝えるようなものに戻していただきたいものだと考えています(もちろん、単なる私見ですが)。
余 談
祝日か、祝祭日か?
今でも「祝祭日」という言葉を使うことがありますが、現在の祝日法には「祭日」がありませんから全て「祝日」となります(振替休日、国民の休日はただの休日です。祝日でも祭日でもない)。

祝祭日という言葉は、終戦前の祝日法に当たる法律「休日ニ關スル件」に、「祝日」と「大祭日」の二つが規定されていた頃の名残と考えられます。
今はなくなった「大祭日」とは、主に皇室が執り行う重要な儀式の日で、

 元始祭(1/3) , 春季皇霊祭(春分日), 神武天皇祭(4/3), 秋季皇霊祭(秋分日),
 神嘗祭(10/17), 新嘗祭(11/23), 大正天皇祭(12/25)

がありました。
よく見ると現在の祝日にも、名前を変えて生き残っているものがあります。
興味のある方は、

 明治憲法下の祝日大祭日一覧 http://koyomi8.com/syukujitsu.htm#old
 休日ニ關スル件 http://koyomi8.com/sub/syukujitsuhou_meiji.htm

も併せてご覧ください。
建国記念の日の日付
1966(昭和41)年に、「敬老の日」「体育の日」と共に追加された祝日に「建国記念の日」があります。
この建国記念の日は他の祝日と違い、祝日法の中でその日付が定められておりません。祝日法の建国記念の日の欄には、

 建国記念の日 政令で定める日

と書かれています。現在の建国記念の日の日付、2/11はこの法律制定後、「政令で定められた日」です。

このような特別な措置がとられた背景には、「建国記念の日」を祝日にすることはよいとして、それはいったい何時かという議論が決着しなかったという事情があります。

現在の「建国記念の日」の日付、2/11は終戦前は「紀元節」という祝日でした。この日付は伝説(?)上の初代天皇である神武天皇の即位した日とされる日付を現在の暦で表したもので、この日付をそのまま用いるのは国家神道的色彩が強すぎるということで抵抗があったものだと考えられます。
・オリジナル記事 2008年記載。
・2016年分までデータ更新 2014.6.3
・2020年分までデータ更新 2020.2.13
■この記事を評価してください(最高5 〜 最低1)
  良 →  やや良→  普通→  やや悪→   悪 →
■2010.6.1〜現在までの 読者評価   , 閲覧数 

←目次へ戻る
  【↑】前の話題 将来の春分日・秋分日の計算
  【↓】次の話題 うるう秒(閏秒)の話
こよみのページ http://koyomi8.com/(http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0332.htm) 暦と天文の雑学