暦のこぼれ話
東京オリンピック開会の日
今日10/10 は、東京オリンピック開会の日です。ただし「東京オリンピック」といっても、2021年に開催された方ではなくてもっと昔、1964年に開かれた最初の東京オリンピックの方です(戦争が無ければ、最初の東京オリンピックは1940年のはずでしたが)。
夏のオリンピックとしては遅かった「東京オリンピック」の開催時期
10/10 開催というのは夏季オリンピックとしては非常に遅い時期です。普通は8月頃に開催されます。たとえば2021年に行われた2度目の東京オリンピックの開会式は2021/7/23でした(閉会式は8/8)。
なぜ、この異例の時期に行われたのかと言えば、それは日本の夏の暑さが原因です。日本の8月は熱帯かと言わんばかりの暑い季節。とてもスポーツ競技に良好な季節とはいえないことから、この時期を外したのです。当初は5月開催案が有力だったそうです。
風薫る5月、高々と掲げられたオリンピック旗の下を端午の節供の鯉のぼりが泳ぐ構図なんか、なかなか絵になったと思うのですけど。
しかしこの案はヨーロッパの国々、殊に冬の長い北欧の諸国からの反対により廃案となりました。5月開催では、こうした国々の選手は十分な練習、調整の時間がとれないというのが反対の主な理由です。元々10月は、これに次ぐ2番目の候補だったのです。
初夏の清々しい季節が駄目ならば、秋晴れの爽やかな季節で
というわけです。「アスリートファースト」とかいいながら、国際的な放送事情などから夏の8月開催に拘り、その挙句に「選手の体調を考えて」とかいってマラソンのスタートを朝の早い時間にした2021年の東京オリンピックより、その半世紀以上も前の東京オリンピックのほうがずっと
アスリートファースト
だったようですね。暑い時期のオリンピック開催は選手や大会運営者には大変でしたね。
※2021年の東京オリンピックのマラソンのスタートの日時は日本時で、女子マラソン 8/7 06時、男子マラソン 8/8 07時でした。
10/10に開会式となった理由
東京大会の開催時期を決めるにあたっては、日本の高温多湿な夏を避け、春と秋が候補となりました。その結果、最終的に10月10~24日の開催となりました。
「10月10日は晴れの特異日だったので開会式の日に選ばれた」という話をよく聞きます。私も長いことそう思っていましたが、どうやらこれは後に広まった説らしく、10月10日という日付が晴天率だけで選ばれたわけではないようです。
とはいえ、1964年10月10日の東京は、前日までの雨が嘘のような見事な秋晴れとなりました。
高温多湿な夏を避け、また結果的にとはいえ見事な秋晴れとなった第1回の東京オリンピック。その開会式が行われた日を記念して設けられた10/10の「体育の日」という祝日は、気が付けば日付は10月の第2月曜日という移動祝日となって10/10という日付から離れてしまい、祝日の名前も「スポーツの日」に変わってしまっています。
ああ、月日の流れとはなんと残酷な・・・。そんな、時の流れを感じてしまう「東京オリンピック開会式の日」の暦のこぼれ話でした。
(『暦のこぼれ話』に取り上げて欲しい話があれば、koyomi8kanri@gmail.com までお願いします。)