日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【木は規に依って直く 人は人に依って賢し】 (きはきによってなおく ひとはひとによってかしこし) 「規」は定規の意。木は定規を使って真っ直ぐに仕上がり、人は人によって 賢く仕上がるといった意味。 何かの書物から出たというような言葉ではなくて、生活の中から生まれた諺 です。内容からすると、大工さんのように木を扱う職業から生まれた言葉の ようです。 素朴な言葉ですから、内容は容易に想像出来るものですね。 この言葉を聞いて面白いと思うのは、 「木は規によって」 と 「人は人によって」 という対比の箇所。木は規という、木とは違うものによって真っ直ぐにされ るわけですが、人間は同じ人間によって賢くされると言うこと。 賢くする方もされる方も共に人間です。つまり、人間は「木と規」の関係で いえば、「木」にも「規」にもなれるということです。 顧みてみますと、今のところは専ら真っ直ぐにして頂く「木」の役割ばかり のような気がしますが、いつかは「規」の役割が果たせるようになりたいも のですね。
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