日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【帰り花・返り花】(かえりばな) 1.返り咲きの花。狂い花。忘れ花。冬の季語 2.遊女・歌舞伎役者などが2度目の勤めに出ること。 本来なら春の頃に咲く、桜や梅、躑躅や山吹などが小春日の頃に花を咲かせ ることがあります。この花のことを帰り花と呼びます。 寒さがやってきてそれが不意に途切れ、ぽかぽかした陽気となる小春日に、 うっかりと冬が終わって春になったと勘違いして咲くのでしょうか。 私の家の近所の山に、毎年なぜかこの季節になると花を咲かせる躑躅の木が あります。春にも間違いなく花をつけるこの躑躅ですが、冬になるとまた花 を咲かせます。この返り花に気が付いたのはもう十五年も前のことですが、 それから毎年律儀に「帰り花」を咲かせ続けています。 回りにも同じような躑躅は生えているのですが、他の躑躅は冬に花をつける ことなど致しません。周囲からちょっと浮いた感のある変わり者の躑躅が二 度目の花を咲かせるようになると、いよいよ年も終わりに近いなと近年では 思うようになりました。 一昨日の日曜日、子供のどんぐり拾いに付き合って外をぶらぶらしていると、 件の躑躅が花を咲かせている姿が目に入ってきました。帰り花です。 ああ、年の瀬か と帰ってきた花に、年の終わりの季節を感じました。
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