日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)

【原爆忌】(げんばくき)
 昭和二十年(1945)八月六日、広島市に史上最初の原子爆弾が投下され、続
 いて九日、長崎市にも投下され、三十万人もの命が奪われた。この両日、広
 島、長崎を中心に犠牲者の霊を慰めるとともに、世界唯一の被爆国として、
 反核、平和を祈念する諸行事が行われる。
  《講談社 新日本大歳時記・夏》より抜粋

 今日8月6日と、3日後の9日は、広島・長崎に原爆が投下された日。今年で80
 回目となる原爆忌です。

 この語は国語辞書を引いても出てきません。
 まだ俳句の世界でだけ通用する季語なのかも知れません。

  投下する者の瞳に輝きて美しかりけむ広島の川 <松村 正直>

 80年前の今日、広島の中を流れる太田川は朝の光を映して美しく輝いていた
 でしょう。80年が経過した今日も太田川は美しく輝いているでしょうか。

 川にとっては80年は一瞬の時間で、川は何も変わらず流れつづけていますが
 人にとっては多くのものが変わってゆく長い時間です。
 原爆の記憶も薄らいできています。

 こうした記憶が薄らぐことは善いことなのか否か。
 そんなことを考えさせられる原爆忌です。

※この記事は2008/8/6の記事を元に、2025/8/6にアップデートしたものです。

日刊☆こよみのページ スクラップブック