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【椀飯振舞】(おうばん ぶるまい) (「大盤振舞」は当て字)江戸時代、民間で、一家の主人が正月などに親類 縁者を招き御馳走をふるまったこと。転じて一般に、盛大な饗応。 新年の季語。 《広辞苑・第五版》 「椀飯」は椀に盛っためしの意で、王朝時代には殿上に集まった公卿たちへ の供膳のことをいった。また、「振舞」は人の「行い、挙動」をさしたが、 十三世紀半ばには「饗応すること、もてなすこと」の意にもひろがり、中世 末には「椀飯」と「振舞」は、それぞれ行動と動作の意味から出発して、と もに宴会、祝宴を表す語となった。 江戸後半には「椀飯振舞」の語が広まって「大盤・大判」が当てられ、気前 よくごちそうすることを表すようになった。 《日本語源大辞典》 今ではすっかり「大盤振舞」が定着してしまい、「椀飯振舞」と正しく書か れたらにわかには読めない言葉となってしまいました。 鎌倉、室町時代では、新年に臣下が将軍を迎えて饗応することを「椀飯」と いったそうです。だとすると現代の大盤振舞とは持て成す側、持て成される 側の関係が違うようですね。 1.目下の者が目上の者を持て成す 2.目上の者が目下の者を持て成す 目上の者が目下の者を「持て成す」と言うのかは、ひとまず置くとして、鎌 倉、室町の時代は椀飯振舞は1の関係で、現代は多分2の関係でしょう。 広辞苑の説明からすると、既に江戸時代には2の関係になっていたようです が、さてこの意味の変化はどの辺の時代で起こったのでしょうか。 ちょっと気になりますね。 さて、これを書いているのは 1/5。旧憲法下の時代は「新年宴会」という名 の歴とした祝日でした。こんな日ですから、きょうはぱーっと椀飯振舞とい きますか。さてそうしたとき、あなたは持て成す方、それとも持て成される 方?
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