日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【耳障り】(みみ ざわり) 聞いていやな感じがすること。聞いて気にさわること。 「耳障りな話」「耳障りな雑音」 《広辞苑・第五版》 「耳ざわりの好い音楽」という説明を聞いたり見たりしたことがあります。 勘違い言葉というものがあるとするならこの「耳ざわり」はその勘違い言葉 の代表格だと思います。 もし「みみざわり」を漢字で書けばこの勘違いは一目瞭然。 耳障りの好い音楽 では、好い音楽なのか癇に障る音楽なのか。 何か変だとすぐにわかります。 おそらく「耳ざわり」の勘違いは手触りとは肌触りといった「触り」と「障 り」を混同した結果生まれたものでしょう。 肌触りの好い生地 といった使い方があるように「さわり」を「触り」とすれば「耳触りの好い 音楽」と言う表現もなるほどと思いますが、やはり音楽が耳に「触る」とい うのは、まだちょっと無理があるように思えます。 「耳ざわりの好い音楽」なんていう言葉そのものが、とっても「耳障り」な 存在です。 ◇「目ざわり」はまだ 「耳障り」と同じ使い方をする言葉としては「目障り」がありますが、こち らは流石にまだ「耳触り」流の勘違い言葉は生まれていないようです。 「目障りな奴」とは言っても、「目ざわりのいい眺め」と言われたら誰でも きっと「?」と感じることでしょう(目に触られたら痛いでしょうしね)。 願わくば「目ざわりのよい色合い」なんていう文字を、今後も目にすること がないことを祈りたいものです。
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