日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【蜩】(ひぐらし) セミの一種。全長約 5センチメートル。全体は栗褐色で緑色および黒色の斑 紋が多い。雄の腹部は大きく、薄く半透明で、共鳴器となる。夏から秋にか け、夜明けや日暮に、高く美しい声で「かなかな」と鳴く。 カナカナ。秋の季語。万葉集10「夕影に来鳴く蜩」 《広辞苑・第五版》 日刊☆こよみのページはもっぱらその日の朝に記事を書いています。 今日のコトノハもまた然り。 蜩の声は夕暮れに聞くものという思いが強かったのですが、最近はこの朝の 記事を書く時間に聞くことが増えてきました。 暁方(あけがた)に鳴く蜩を呼ぶ暁蜩(あけひぐらし)という言葉があるそ うですが、近頃はその暁蜩の声を聞くことが増えてきました。 まだ日中は暑い日が続いていますが、蜩の声を聞く朝夕には涼しい風が吹く 心地よい時間が拡がり始めています。 「暑いですね」という挨拶の言葉がいつの間にか「朝夕は涼しくなりました ね」という言葉に変わり始めました。 蜩の声を聞くと去ってゆく夏の後ろ姿が見える気がします。 明日も明後日も、暁蜩の声を聞きながら、去りゆく夏の後ろ姿を眺めること と思いますが、後どのくらいその夏の背が見続けられるでしょうか。 あと半月もすれば日刊☆こよみのページの記事を書く朝に、暁蜩の声を聞く ことも無くなって、夏の背中もすっかり消えて、秋一色となっていることで しょう。
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