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【天狼星】(てんろうせい) 大犬(おおいぬ)座の首星シリウスの中国名。 《広辞苑・第五版》 昨夜、冬の星空を見上げたら、真南少々西よりに立つオリオンの姿と、その オリオンに従うおおいぬ座とこいぬ座の姿がありました。 このおおいぬ座の中で一際明るく輝いていた星が「天狼星」、シリウスです。 シリウスは、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオンと共に冬の 大三角を形作る星で、空に輝く恒星の中で二番目に明るい星です。 二番目といっても、シリウスより明るい恒星とは実は太陽のこと。 この「星」というにはやや異色の太陽を除けばもっとも明るい星と云っても よいでしょう。 あまたある星の中で一際明るく、そして青白く輝く星であることから「青星」 と呼ばれることもある星です。 ◇焼き焦がすもの シリウスの名はギリシャ語で 焼き焦がすもの・光り輝くもの を表す言葉(Seirios)から生まれたものです。 その際立って明るい輝きから、「焼き焦がすもの」と呼ばれることになった のでしょう。 英語では、「Dog Star」と呼ばれるそうです。 ◇Dog day 鰻(うなぎ)でおなじみの夏の土用のことを英語では Dog days と呼ぶそうです。 なんで夏の土用の期間がなぜ「犬の日々(Dog days)」かと云えばDog Star、 シリウスが、太陽と同じ方角にあって地上を暑く焼き焦がす時期だと考えら れたからだと想像されます。 私は天狼星、シリウスといえば冬の夜空に輝く星であることから冬の星と考 えてきましたが暑い時期、夏の土用を「Dog days」と呼んだ人々からすると 夏の星と考えられたのかも知れません。 冬の星か、夏の星か、人間の考えには違いがありますが、そんな人間の考え の違いなどに頓着することのない、天狼星は今日も空の何処かで輝いている はずです。
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