日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【含羞草】(おじぎそう) マメ科の小低木で、園芸上は一年草。ブラジル原産。 日本には天保年間に渡来。茎は直立。高さ約30センチメートル。 細毛ととげをもつ。葉に触れると閉じて葉柄を垂れ、暫くして開く。また 温度・光・電気などの刺激にも敏感に反応する。 夏、葉腋に花柄を出し、淡紅色の小花を球状に付ける。花後に莢さやを生 ずる。知羞草。ネムリグサ。ミモザ。夏の季語。 《広辞苑 第六版》 その葉に触ると葉を閉じ、続けて葉柄もうなだれる。この様子がまるでお辞 儀をしているようだということで「おじぎそう」というながついたのでしょ う。ただ、読みは「おじぎそう」ながらその文字は「御辞儀草」ではなくて 「含羞草」。 含羞草のお辞儀は、お辞儀はお辞儀でも、見事なお辞儀というより、幼い子 が初めてお辞儀したように、お辞儀の途中ではずかしがってお母さんの陰に 隠れてしまったようなお辞儀。 はずかしそうなお辞儀をするこの草の名に「御辞儀草」ではなくて「含羞草」 の文字を選んだ先人は偉い。 この草は日が暮れると早々に葉を閉じて眠りにつきます。 このため付いた別名が「眠草」。宵の口から眠りについてしまうあたりも、 幼い子供の風情です。 さてさて、触れるとお辞儀をするその葉の動きばかりに目がいきがちなこの 草ですが、夏の頃から秋の初めにかけて枝先に咲く花もお忘れなく。 美しいというより、可愛らしいという表現がぴったりの薄紫色の球形の小花 が枝の先に一つずつ咲きます。 この花を付けるときだけは、含羞草もなんだかちょっと誇らしげ。 買ってもらった新しい鞠を、「見て、見て」と差し出しているようです。 そろそろ含羞草が花を付ける頃。 きっとどこかの庭に 「見て見て」 っと、嬉しそうに鞠を差し出している含羞草があると思います。
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