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【遠日点】(えんじつてん) 太陽を焦点の一つとして楕円軌道を描いて運動する惑星あるいは彗星(すい せい)が、太陽から最も遠ざかる点。 太陽をはさみ近日点の反対側にある。←→近日点 《広辞苑・第六版》 「寒い日が続いていましたが、 これからは段々と太陽が近づいてきて、やっと暖かくなりますね。」 七月の初め、暑さも本番を迎える頃ですから、こんな冗談の一つも言って気 を紛らわせたいところです。 「寒い日が続いて」というのはもちろん冗談ですが、これから段々と太陽が 近づいてくるというのは本当です。 地球も太陽を楕円軌道を描いて巡る惑星の一つですから、辞書の説明にある 太陽から最も遠ざかる点、遠日点があります。 惑星がその軌道上の遠日点を通過する日を遠日点通過日といいます。 地球の遠日点通過日は 7月の上旬にあります。日付は年により多少前後しま す。今年(2013年)の 7/5 23時44分(日本時)、つまり昨日の深夜。 昨日から今日にかけて、地球は一年で一番太陽から遠い場所にいたことにな ります。 太陽から一番離れていると言うことは、地球が太陽から受ける光も一番弱く なるわけで、日本では暑い夏でも地球全体で考えれば一年で一番寒い日とい うことが出来るでしょう。 ちなみにこのときの地球と太陽の距離は 1.01671天文単位。 「天文単位」とは天文学ではよく使う距離の単位ですが、日常生活で使うこ とはまれですから、この距離をなじみのある距離の単位に換算すると 1.01671天文単位 ≒ 1億5210万km 反対に地球と太陽が一番近づく近日点通過の時の地球と太陽との距離は 0.98329天文単位 ≒ 1億4710万km 近日点と遠日点とでの地球と太陽との距離の差は約 500万km。 大変な差なのか、それとも微々たる差なのか。 何はともあれ、今年最も太陽から遠い軌道上の点を通過した地球は、毎日少 しずつ太陽に近づいて行きます。
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