日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【春の日は暮れそうで暮れぬ】 春の日長の日は沈みそうでなかなか沈まないということ。 対義語 秋の日は釣瓶落とし 《成語林・初版》 春の夕日は、「暮れ泥(なず)む」という言葉がよく似合います。 暮れそうでいてなかなか暮れない。 きっとみなさんもそんな風に感じたことがあるのではないでしょうか。 私もそう感じる一人。 辞書に対義語として「秋の日は釣瓶落し」が紹介されているとおり、春と秋 とでは夕暮れの速さは大違い、と感じます。 ではどれくらい違うのか? 日刊☆こよみのページを書いている者としては、この自分の感覚がどれくら い正しいものか、数値で確かめてたい衝動に駆られます。そしてよせばいい のに、確かめようとしたことがありました。 「日が暮れる速さって何だろうな」と考えて、まずは日暮れの時刻や太陽の 下辺が地平線に達してから上辺が完全に地平線下に没するまでに要する時間 を計算してみました。結果は、残念ながら大差なし。 では、太陽が没してからしばらく続く薄明るい期間(この状態を薄明(はく めい)といいます)の継続時間かと、これも計算してみました。計算で用い る太陽の地平線下の角度で計算しても大差がないことはわかっていますから 大気の濁り具合も考える必要があるなと、理科年表でそうした値を調べて比 較してみたりもしました。しかし、結果はやはり「大差なし」。 数値で巧く説明出来る要因は見つかりませんでした。 それでもやはり、「春の日は暮れそうで暮れない」と思えてならない。 心理的なものなのでしょうか。 いまだに、すっきりしておりません。 また、暇が出来たら考えてみたいと思っています。 閑話休題 何となくわからないまま、この話を終えると気分が暗くなってしまいますの で、終わりには「何となくわかる気がする」話を一つ。 「春の日は暮れそうで暮れない」の変種(?)にこんな言葉があります。 春の日と親類の金持ち どちらも、「暮れそうでくれない」ものなのだという言葉です。 こっちの方は何となく、わかった気がしませんか? もっとも、金持ちの親類を持たない私にはこれが本当か否かを確かめる術が ありませんけれど。 この変種の言葉について「すっきりわかりますよ」という方(お金持ちの親 類をお持ちの方、あるいはご自身がお金持ちの方)、事実のほどを教えて頂 けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
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