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【雪は犬の伯母】(ゆきは いぬのおば)
 雪が降る中を犬が興奮して走り回るのを、子供が伯母に会って喜びのあま
 りにはしゃぐさまに例えていう。
  《成語林・初版》

 何時かこの日が来るということは分かってはいましたが、ついにやってきて
 しまいました。

 昨夕から急に冷え込みが厳しくなってきたと思ったら、それまで降ったり止
 んだりしていた雨が霙に変わり、日が暮れた頃からは次第に霙の主成分が雨
 粒から雪片へ変わり、ついには雪片のみとなりました。また、断続的に降っ
 ていたそれが、夜が更ける頃には連続的な降雪に変わりました。

 朝になって外に出てみると、雪の勢いは弱まっているものの降り続いていま
 した。そして足下の地面は、厚さ数センチの雪に覆われていました。ああ、
 これからは少しずつこの雪の厚さが増してゆくことになるんですね。

 寒がり&めんどくさがりの私には、寒くて、時には雪かきもしなければなら
 ない雪の季節はちょっと敬遠したい季節です。雪の風情は、それはそれで
 楽しめるのですが、そうした情緒より現実の煩悩が上回りますので。
 そんな私と違って、こんな雪の降る日を喜ぶ生き物が犬。

 「雪やこんこ、霰やこんこ」の歌い出しで知られる童謡「雪」の歌詞には

  犬は喜び庭駈け回り

 という一節があるように、犬は雪の降る日は興奮気味に駈け回る印象があり
 ます。少なくとも生まれてから16~17年の間、飼われていた何匹かの犬たち
 は、みな駈け回っていた印象があります。ことに、初雪の日や、その雪が積
 もり始める、冬の始めの日には、犬は興奮気味で、嬉しそうでした。
 そうした犬の嬉しそうな様から生まれた言葉が本日取り上げた

  雪は犬の伯母

 です。「え、雪と犬に血縁関係が?」なんて、一瞬戸惑いを覚えてしまいま
 したが「雪が降る中を犬が興奮して走り回るのを、子供が伯母に会って喜び
 のあまりにはしゃぐさまに例えて」といわれると、なるほどなと納得いく言
 葉です。

 今朝は、近所の小さな公園で、雪の中を駈け回る犬と子供(小学校の低学年
 くらい?)を見かけました。やはり、初雪の降った日に犬、そして子供が駈
 け回るというのは昔も今もかわらないのですね。

 そういえば、犬を飼っていた頃、初雪の日に犬がはしゃぐ姿を見ていた自分
 も、犬同様にはしゃいで雪の中を駈け回っていたような・・・。子供の頃は
 寒さなんて気にならなかった、というより、寒さより初雪を見た興奮のほう
 が勝っていたということでしょうか。

 歳をとって、物事に興奮することが減った今、初雪を見た興奮は寒さという
 現実の煩悩の前に霞んでしまっています。

 初雪に興奮し、駈け回る犬と近所の子供の姿に、遙か昔の情景を思い出した
 かわうそでした。
 皆さんのまわりの犬と子供達も、雪の日には駈け回っていますか?

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