日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【金木犀】(きんもくせい) モクセイ科の常緑小高木。 中国原産の観賞用植物で、古くから庭木とされる。高さ約3メートル。 葉は狭い長楕円形、革質で堅い。雌雄異株。 日本のものはすべて雄株で結実しない。 秋、橙黄色で芳香の強い小花を多数開く。漢名、丹桂。秋の季語。 《広辞苑・第七版》 洗濯物を干そうと、ベランダに出てみると「天高く」と形容されるとおりの 秋の青空が拡がっていました。こんな良い天気なら、洗濯物も直ぐに乾いて くれそうです。そんなことを考えながら洗濯物を干していると、金木犀の花 の香りに気がつきました。 そういえば、近くに金木犀の木があったな そう思って、見下ろすと20m程先に金木犀の木があり、濃い緑の葉の間に、 黄金色の花が見えていました。あまり手入れされているとも思えない木です が、高さは4m近くあり、横への葉の拡がりも高さに近いほどある、金木犀と しては大きな木です。 金木犀としては大きな木ですけれど、周囲には桜や椎の木など、もっと大き な木が何本もあるので、普段はそこに金木犀があることなど、すっかり忘れ てしまいます。ですが、秋になれば金木犀の木は、その花の香りではっきり とその存在を思い出させてくれます。 ◇中国から伝わった「九里香」 金木犀は中国原産の植物で、日本には17世紀末頃に日本に渡来したとされま す。中国での呼び名は「丹桂」。秋深まる頃に咲く花は、強い芳香を放ち、 この香りから、遠く離れた人にもこの木の存在を知らせることから 九里香 とも呼ばれます。九里先までその香りが届くという意味です。 ここでの「里」は中国の距離の単位で、およそ4~500m程。九里というと、 およそ4km。さすがにこれは大げさだろうと思いますが、絶対無理とは言い 切れないくらい香りの強い金木犀です(私と違って、鼻の良い人もいるでし ょうしね)。 金木犀は、庭木や垣根の木として広く栽培されていますから、秋が深まる頃 に街を歩けば、きっとどこかでその香りを感じることがあるでしょう。
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