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【卯の花】(うのはな) 1.ウツギの花。また、ウツギの別称。夏の季語。 万葉集(17)「卯の花は今そ盛りと」 2.襲(かさね)の色目。山科流では、表は白、裏は萌葱(もえぎ)。 4~5月に用いる。 3.豆腐のしぼりかす。おから。雪花菜(きらず)。 《広辞苑・第七版》 白い空木(ウツギ)の花を初夏(5~6月頃)の山野では沢山見かけます。 空木の花は釣り鐘型をした花で、これが房状に枝一杯に咲いて葉の緑をも覆 い尽くすので、空木がまとまって生えている山の一角は季節外れの残雪が残 っている可のように見えるほどです。 卯の花の咲く初夏の頃といえば、旧暦の四月、和風月名でいえば「卯月」で す。卯月の語源の一つには卯の花が咲く季節の月なので「卯の花月」と呼ん だものが誤って「卯月」となったというものがあります。 いやいや、逆で卯月に沢山咲く花なので「卯の花」と呼ばれるようになった のじゃないかな? などと私は考えるのですが真偽の程は不明。鶏が先か卵 が先か・・・。 ちなみに、卯の花と卯月の関係と違って後先のはっきりしているものが豆腐 の絞りかすのおからと卯の花の関係。こちらはそれぞれの言葉が使われ始め た時期の後先から考えて間違いなく、卯の花が先で、おからはその見かけが 卯の花のようだということから一種の雅称として「卯の花」と呼ぶようにな ったと思われます。 これを書いているのは旧暦四月、卯月です。そして周囲の山には沢山の卯の 花が咲いています。卯の花の季節です。これで晩の食卓に卯の花和えでも出 てくれば、卯の花づくしの一日となりますね。 ※参考記事 和風月名の話 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0102.html
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