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【ビキニ】(Bikini)
 1.中部太平洋、マーシャル諸島の北西部に位置する環礁。
  1946~58年、アメリカの原子爆弾・水素爆弾の実験地。
 2.(bikini)(着用時の効果をたわむれに核爆発になぞらえての称)胸と腰だ
  けを覆う型の女性用水着。「ビキニスタイル」
   《広辞苑・第六版》

 本日7/5は、「ビキニスタイル発表の日」(1946年)です。7月に入り、そろ
 そろ海の季節と言っても差し支えのない時期ですので、海の季節にふさわし
 い(?)、この記念日に登場する【ビキニ】という言葉を、コトノハでも採
 り上げてみました。

 「ビキニ」という言葉の元となったビキニ環礁は現在はマーシャル諸島共和
 国に属する島。以前は日本の委任統治領でしたが1945年に米国に割譲されま
 した。

 この島の名前が知られるようになった最大の理由は1946~1958年の間に米国
 によって23回も原子爆弾および水素爆弾の実験がこの島で行われたことによ
 るでしょう。

 本日、「ビキニ」という言葉を取り上げるきっかけとなった「ビキニスタイ
 ル発表の日」という記念日もこのビキニ環礁で行われた原子爆弾実験に由来
 するものです。今日の記念日からビキニスタイル発表の日の由来を引くと

 ◇ビキニスタイル発表の日
  1946年(昭和21年)のこの日、デザイナーのルイ・レアールが世界で最初
  のビキニスタイルの水着を発表した。それより前に発表された大胆な水
  着が、最も小さい「アトム(原子)」と呼ばれたので、その頃アメリカが
  原爆実験を行ったビキニ環礁から、その名をとったという。

 となります。ビキニスタイルが初めて発表されたのは1946/7/5でしたが、こ
 のわずか4日前の1946/7/1にビキニ環礁において第二次世界大戦後初の原子
 爆弾の実験が行われています(この実験で爆発した原子爆弾が、史上4番目
 の原子爆弾。ちなみに2番目と3番目の原子爆弾は広島と長崎に投下されたも
 のです)。

 ビキニ環礁で行われた原子爆弾実験が話題となったのでしょう、従来の最も
 大胆な水着以上の大胆なデザインの水着が周囲に与える「壊滅的な破壊力」
 を原子爆弾の破壊力になぞらえて、これを連想させる「ビキニスタイル」と
 いうネーミングで発表されたわけです。こうして生まれた「ビキニ」という
 言葉が定着し今でも使われ、辞書にまで載っているというわけです。

 原子爆弾の破壊力と大胆な水着のデザインとを結びつけて出来た「ビキニ」
 という言葉ですが、今の世の中ではあり得ないネーミングセンスですね。

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