日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【二河白道】 (にがびゃくどう) 〔仏〕善導が「観経疏散善義」で説いた比喩(ひゆ)。 おそろしい火・水の二河に挟まれた細い白道を、西方浄土に到る道にたとえ たもの。火の河は衆生の瞋恚(しんい)、水の河は衆生の貪愛(とんあい) 、白道は浄土往生を願う清浄の信心を表す。二河。白道。 《広辞苑・第七版》 日本に浄土思想が拡がるとともに、西の彼方には煩悩に満ちたこの世界とは 違った理想の世界、西方浄土があると信じられるようになりました。 彼岸の中日(春分・秋分の日)には太陽が真西に沈みます。 海辺で沈む太陽を眺めると、真西に沈む太陽が水面に白く光る一筋の道を映 し出します。まるで二河白道が具現化されたようなまぶしい道。この道は、 西方浄土へ至る道であるとして尊ばれ、この道を照らす春分、秋分の日の夕 日を拝する行事が行われたそうです。 宗教的な意味合いは判らなくとも、朝日、夕日が海を照らして作るこの白い 道にはは、ただ眺めるだけでも何か敬虔な気持ちを呼び起こしてくれる力が あるような気がします。 この文章を書いているのは春分の日の朝。日暮れには海の上に、きっとこの 二河白道を見ることが出来ることでしょう。そしてこんな私にも敬虔な気持 ちを呼び起こしてくれることでしょう。 そうしてくれるよう、今のうちからお天道様にお祈りすることにします。
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