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【三冬】(みふゆ)
 神無月(かんなづき)・霜月(しもつき)・師走(しわす)、すなわち
 陰暦の10月・11月・12月の称。
 さんとう。 →三春(みはる)。
 みふゆ‐づき【三冬月】
   《広辞苑・第七版》

 「さんとう」でも辞書を引くと
 【三冬】(さんとう)
  1.冬季の3カ月。すなわち孟冬・仲冬・季冬の総称。冬の季語。
  2.3回の冬。3年。
   《広辞苑・第七版》

 とあります。
 これを書いているのは、立冬の日(2024/11/7)。
 今年は11/1が旧暦の十月一日ですから、旧暦月でも三冬の初め、神無月に入
 っています。二十四節気でも旧暦月でもいよいよ「冬」という季節に入った
 わけですね。

 冬は草木の多くが枯れてしまう季節です。一見、草木が死に絶えてしまう季
 節のようですが、実際は草木が次の春にむかって力を蓄えるために必要な季
 節なのです。この寒い季節に力を溜めて、次の四季の巡りが始まる春を迎え
 る準備が土の中で始まっています。

 さて、多くの草木が枯れてしまう冬にあっても、元気に葉を茂らせ、花を咲
 かせる植物もあります。その代表が椿。七十二候の立冬の初候には

  山茶始めて開く(つばき はじめてひらく)

 とあります。「山茶」はツバキの別称ですので、明治時代の略本暦に振られ
 た読みがなは「つばき」となっています。ツバキは常緑の照葉樹で一年中、
 つややかで厚みのある濃緑の葉を茂らせる木で、その花は七十二候の言葉の
 とおり、冬の初めに咲き始めます。

 冬の初めに咲き始める椿の花の花期は長く、本日採り上げた「三冬」の間、
 咲き続けることから「三冬花」と呼ばれます。
 冬は寒くて辛い時期ですが、そんな中でも凜として咲き続ける椿の花を見習
 って、元気に過ごしてゆきたいものですね。

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