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【干支】(えと) 1.十干(じっかん)十二支。十干を五行(木・火・土・金・水)に配当し、 陽をあらわす兄(え)、陰をあらわす弟(と)をつけて名とした、 甲(きのえ)・乙(きのと)・丙(ひのえ)・丁(ひのと)・ 戊(つちのえ)・己(つちのと)・庚(かのえ)・辛(かのと)・ 壬(みずのえ)・癸(みずのと)に、十二支を組み合わせたもの。 甲子(きのえね)・乙丑(きのとうし)など60種の組合せを年・月・日 に当てて用いる。 2.十二支。年、特に生年や方位・時刻に当てる。 「今年の十二支は丑(うし)だ」 《広辞苑・第七版 抜粋》 この記事を書いているのは、12月の半ば。 この時期になるとあちこちで 来年の「えと(十二支)」は? なんていう話を耳にします。 今頃が一年で一番「えと」に注目が集まる時期でしょうかね? そんな一年で一番「えと」に注目が集まりそうな時期なので私もまた、本日 はこの話題を採り上げることにしました。 ◇「えと」は「干支」 『「干支」の読みは?』 意地悪な漢字試験か、クイズの問題にさるような難読熟語。とはいえ、比較 的使われる機会もあるのでその類いの問題としては初~中級問題かな? 辞書の語釈1を御覧いただければ「干支」と書いて「えと」と読む理由は、 干支の干(十干)を「五行+陰陽」で表した場合の陰陽の「兄弟(えと)」 が元です。ですから、普通に考えるなら 「十干」と書いて「えと」と読む ならばわかる気がするのですが、「えと」というと現在は十干の方ではなく て、無関係のように見える十二支のほうを指すことが一般的です(語釈2の とおり)。なんか変です。 気になるのですが、そういうものかと納得して使いますけど。 ◇もしかして(かわうそ@暦の勝手な推論) 十干十二支のうちでも、どちらかと言えば「えと」になじみの薄そうな十二 支のほうに「えと」の呼び名が定着してしまった理由については、よくわか らないのですが、私(かわうそ@暦)は年月日を十干十二支で表す場合の読 みの区切りの間違いじゃないかななんて思っています。こんな具合に。 甲子 → 木の兄子 → きのえ 子→ きの え子 乙丑 → 木の弟丑 → きのと 丑→ きの と丑 (中略) 壬戌 → 水の兄戌 → みずのえ 戌→ みずの え戌 癸亥 → 水の弟亥 → みずのと 亥→ みずの と亥 こうやって年月日に割り振られた十干十二支について毎日の暦を見てゆくと 「え・と・え・と・・・」の直ぐ後に十二支がくっついてくるので あ、「えと(兄弟)」は十二支の頭につく言葉なんだ と思い込まれてしまったのではないかな? 本来の十干の法は「甲=きのえ(木の兄)」のように間に「の」が入ってし まって、この「の」で言葉の前後が区切られていると間違われたものが定着 しちゃったんじゃないのかななんて。 暦を眺めながら思いついた話なので、確証なんてないのですが案外いい線行 っているかも? なんておもっていますが如何でしょう。 ※おまけ 一応ですが、十二支にも五行は割り振られています。 でも十二支は12で5では割り切れないので十二支に均等に五行を割り振るこ とは出来ず 木:寅卯 火:巳午 土:丑辰未戌 金:申酉 水:子亥 となっています。 ただし陰陽(兄弟)の区別は十二支には無いようです。
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