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■雨の特異日
 本日、6/28は雨の特異日です。

 特異日とは、正しくは「気象特異日」と言うのですが、単に特異日といえば
 この気象特異日を指す場合がほとんどのようです。

 特異日とは毎年、ある天気が高い確率で現れる特定の日付のことです。
 有名なところでは、東京オリンピックの開会日となった 10/10(現在は特異
 日から外れている)や文化の日の11/3などがあります。
 特異日は何も日本だけではないようで、英語でも特異日を表すシンギュラリ
 ティー(singularity)という言葉があります。

 今日は雨の特異日ということですから、雨降りとなる地方が多いのでしょう
 ね。

◇本当に雨が多いの?
 Weather Navigator(http://www.iknet.info/docs/singul.html) というサイ
 トに1979~2003年の特異日の的中率を検証して一覧にした表が有ります。
 このページによれば、この期間の25年間で、

   ○(的中)  16回
   △(半的中)  6回
   ×(不的中)  3回

 となっています。的中、半的中、不的中をどのように分けているのか、定義
 が判りませんでしたが、そのまま信じれば的中率は

    16/25 = 64%

 およそ、 2/3の率で雨と言うことなら、雨の多い日と言ってよさそうですね。


◇特異日はずっと同じ日?
 特異日は統計的に高い確率である特定の天候が多い日です。現在気象の統計
 は通例最近の30年間のデータによって求められます(よく聞く「平年に比べ
 て 5℃も気温が高い」何て言う場合の、平年の値の求め方)。

 「最近の30年」という考えですから、10年も経てばこの値も変わります。
 ですから、特異日から外れる日もあれば、新しく加わる特異日も有ると言う
 ことになります。

 昔の体育の日の元になった、東京オリンピック開催日の 10/10はかつては晴
 れの特異日として知られていましたが、近年では晴れの特異日からは外れて
 しまっています。


◇特異日が出来る理由
 特異日がなぜ起こるかについては、いくつかの仮説が立てられています。
 
  ・単なる統計的な揺らぎである
  ・地球大気の大循環の影響である
  ・彗星が軌道上にまき散らした塵の影響である

 などなど。
 ただ、どれもこれも今ひとつ、説得力に欠けるもので、定説とされるには至
 っていません。
 要するに、特異日が出来る理由ははっきり分かっていないと言うことです。

 今日の「雨の特異日」は、日本全土がほぼすっぽり梅雨という雨の多い時期
 にある日ですから、あとはちょっとの偶然で、前後の日より少し雨が多い日
 であれば、雨の特異日となるようにも思えますが、特異日のみんながみんな、
 そんな気象学的な説明が可能な日ばかりではありません。

 というわけで、現段階では特異日が生まれる理由は謎のままです。
 (特異日に意味があるかと言うこと自体、謎のままです)

 ちなみに、暦に関しても特異日に相当するものが「雑節」として取り入れら
 れているものがあります。
 それが、二百十日と二百二十日。
 これは昔から知られた「嵐の特異日」なのでした。


◇して本日は?
 こんな記事を書いているにもかかわらず外は、

  晴れ

 ダメじゃないか、雨の特異日。

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