日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■文化の日 明日11/3は文化の日です。 「自由と平和を愛し、文化をすすめる」 というのが、現在の「国民の祝日に関する法律」(一般には「祝日法」と呼 ばれます。昭和23年 7月20日発布・即日施行)に書かれた文化の日の意味。 日本国憲法の公布を記念した日ということでこの日を「憲法記念日」とする 案もありましたが、憲法記念日はそれが実施される翌年の 5/3に譲って、こ ちらの名前は文化の日に落ち着きました。 ◇文化の日は「明治節」 戦前の祝祭日と現在の祝日(現在もつい「祝祭日」と言ってしまうことが有 るのですが、正確には現在は全て祝日であって、祭日がありません。明治憲 法下の「休日ニ關スル件」では、 5日の祝日と、 7日の大祭日の12日の祝祭 日がありました・・・日数は時期によって多少の変動有り)を並べて見れば 直ぐにわかるのですが、昔はここには「明治節」という祝日がありました。 明治節は更に遡れば明治時代は「天長節」つまり、今で言うところの「天皇 誕生日」でした。 明治維新からの急激な歴史の流れの中で日本の近代化に舵を切って、現在の 日本の基礎を気づいた明治天皇に対する日本人の思い入れは強く、昭和の時 代に入って、一旦は祝祭日のリストから消えた明治天皇の誕生日が名前を変 えて復活したのです。 ◇新憲法下の文化の日 現在の「国民の祝日に関する法律」が制定される前に行われた時事通信社の 3000名対象のオピニオン調査では、この明治節の祝日への採用希望者は15.1% と全体の中の 9位とかなり高い位置に「明治節」が登場しました。 ただこの時代の日本は占領軍統治下。GHQ が国家神道・天皇崇拝に関連しそ うな祭日を認めるはずはないことから、真っ正面から「明治節」ではなくて 衆議院案 文化祭 参議院案 憲法記念日 という名前での祝日案が提出され、調整の結果、現在の「文化の日」と言う 名前になりました。名を捨てて実(日付)をとったと言えるようです。 最近は、この日に日本国憲法が公布されたと言う意味すら忘れられてしまっ ている感がありますから、更に明治節だったなんて言うことは、今は昔の物 語になってしまったかもしれませんね。
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