日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■太陽周期(曜日の並びが同じ年) Web こよみのページに次のような質問が送られてきました(必要な箇所だけ 抜粋しました)。 > さて、暦についてですが、各年ごとに、「日」と「曜日」がつくわけです > が、特定の複数の年について、この「日」と「曜日」が一致する年があり > ます。 > このような一致を何か特別な用語で呼ぶことがあるでしょうか? > また、このようなことは稀なのでしょうか? なるほど、これはいい話の種になるなと言うことで日刊☆こよみのページで も早々に取り上げてみました。 ◇曜日と日付の関係 現在使われているグレゴリウス暦は月の日数が決まっています(例外として、 閏年の 2月だけ日数が変化する)ので、毎年の 1/1の曜日が決まればあとの 日付の曜日は自動的に決定されてしまいます。 ここで仮に、 1/1の曜日で 日曜日はaパターン,月曜日はbパターン,・・・,土曜日はgパターン とすると、全ての平年はこのa~gの 7種類のどれかでしかありません。閏年 の場合はといえば、 3/1でaパターンからbパターンへというように一つパタ ーンがずれるのですが、まあそれだけの話です。 さて、平年の 1年の日数は 365日。これは52週間と 1日です。このあまりの 「1 日」がありますから、翌年の年初は今年の 1/1の曜日の次の曜日となり ます。今年(2007年)はbパターンですから、来年はこれが 1ずれてcパターン の年になります。 閏年の場合はあまりは 1ではなくて 2ですから、ずれの数も 2になるだけで 本質的に違いはありません。 では、日付と曜日が一致する年は珍しいのかと言う御質問にも目を向けると、 これは残念ながらあまり珍しくはありません。 今年2007年 6年前の2001年は全く同じ曜日の並びでした。2012年も 3/1以降 なら今年と同じ曜日の並びです。 ◇太陽周期 頂いた質問にはこうした「一致」についてなにか特別な言葉があるのかとい う質問もありましたので、これを考えて見るといちばん近い言葉が太陽周期 (Solar cycle) だと思います。この周期の長さは28年。 この28は曜日のずれのパターン 7と、閏年の出現間隔 4の最小公倍数です。 この年毎に、カレンダーの曜日は完全に元に戻ります・・・と書きたいとこ ろですが、これはユリウス暦での話。グレゴリウス暦では閏年の算出方式が 若干異なるため、太陽周期が成り立つ期間は 100年毎の期間限定となります。 ( 400年単位なら、完全に同じパターンで繰り返されます。大太陽周期とで も呼ぶべきでしょうか?) もっとも、28年ごと以外でも、合間合間では2001年と2007年のように日付と 曜日が一致する年があることはお忘れ無く。 ちなみに、ユリウス暦の太陽周期の開始年はBC 9年で、時としては、その年 を「太陽周期の12番目の年」なんて言ったこともあるそうです。 ◇追加記事 ・・・ 日曜文字 キリスト教の教会暦では昔からある一年の何月何日が主の日である日曜日に あたるかを示すための方式が有りました。その方式は1/1~12/31までA,B,C, D,E,F,G,A,B,・・・と順にアルファベットを振った表を作り、主の日にあた る日曜日がそのA~Gまでのどれにあたるかを示すというものです。 その年の日曜日を表す文字は日曜文字(Dominical Letter, ドミノ文字)と 呼ばれました。 なお、この日曜文字は平年は 1つ、閏年は 2つ有ります。これは閏日挿入の 前後で日曜文字が変化するためです。 日曜文字方式は今回私の説明した 1/1の曜日によってa~gパターンに分けた 方式とは異なり、年最初の日曜日が年の始めから何番目の日に当たるかを示 す方式ですが、一年の月日と曜日の関係は基本的(平年のパターン)には 7 種類しかないという考え方は同じです。 ※2007/12/09に書いたオリジナルの文章には日曜文字の考え方に間違いが有り ました。T.N さんからご指摘を受け、これを修正しました(2009/02/20)。
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