日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■祝日の日数の変遷 Web こよみのページ情報でもふれますが、毎年の祝日と振替休日、国民の休 日の一覧表を表示するページを作りました。 休日のデータを仕事でエクセルの表に組み込んでいるという方が結構いらっ しゃって、祝日の表がないかと時々聞かれるから、作ってみたのですが、作 ってみるとなかなか面白いので、その内容をおってみました。 ◇黎明期 1948~1965(昭和23~40)年 祝日の日数は 9日(※1948年は 3日のみ実施)。 どんな日があったかというと 1/ 1 元日 1/15 成人の日 3/2* 春分の日 4/29 天皇誕生日 5/ 3 憲法記念日 5/ 5 こどもの日 ※ 9/2* 秋分の日 ※11/ 3 文化の日 ※11/23 勤労感謝の日 春分の日と秋分の日は日付が変わることがありますから日付は 2* としまし た。この祝日を規定した「国民の祝日に関する法律」は1948年 7月20日から 施行されたので、※のついた 3日は1948年にも実際に「祝日」となりました が、他の祝日は1949年から登場したことになります。 今から見るとびっくりするほど寂しい祝日の並びですね。 ◇第一期成長期? 1966(昭和41)年 この年から祝日の数が12日に増えます。増えたのは次の三つ 2/11 建国記念の日 ※ 9/15 敬老の日 ※10/10 体育の日 ※の二つはこの年から祝日となりましたが、建国記念の日の実施は翌年から (法律の改正が1966/06/15だったから)となりました。 建国記念の日の祝日化には賛否があり(ことにその日付に関して)どうして もこの日を祝日化したかった人々が、当たり障りのない体育の日や敬老の日 の祝日への追加に紛れ込ませて祝日化したように見えます。考えすぎ? ◇第二期成長期? 1973(昭和48)年 この年から俗に「振替休日」と呼ばれる休日が現れます。 これは、祝日が日曜日(休日)と重なった場合、翌月曜日に休日を振替ると 言うものです。それまで、日曜日と祝日が重なると損した気分になっていた のが、解消されました。良く覚えています。 振替休日の最初は1973/04/30(天皇誕生日の振替)、次が9/24(秋分の日の 振替)で、この年は祝日とこの 2日の休日で14日の休みがありました。 ちなみに、この振替休日ですが法律的にはただの「休日」で、振替休日とい う言葉はありません。 ◇バブル期1? 1988(昭和63)年 この年から、「国民の休日」と呼ばれる休日が追加されました。 これは、 5月のゴールデンウィークの5/3と5/5の合間の 5/4も休みにしよう との目論見での追加。ただしこの年は振替休日が 1日しかなく、 5/4が休み になっても祝日絡みの休日の数は14日と、特に増えた感じはありません。 なお、この「国民の休日」という言葉も法律にはありません。ただの「休日」 となっています。 ◇バブル期2? 1989(平成元年)年 この年元号が平成と変わり、新しく昭和天皇の誕生日であった4/29が「みど りの日」として祝日に追加されます(天皇誕生日は 12/23へ)。 この年は振替休日が 2日、国民の休日が 1日あって、合計16日の休みがあり ました。 ◇頽廃期? 2007(平成19)年 久々に祝日法の改正があり、4/29の「みどりの日」が「昭和の日」に、 5/4 の国民の休日が「みどりの日」に名前を変えました。またこのみどりに日の 移動に関係して、振替休日の規定が変更され、火曜日以降が振替休日となる 可能性が出現しました(実際の出現は2008年)。2008年の祝日等を見ると、 1/ 1 元日 1/14 成人の日 2/11 建国記念の日 3/20 春分の日 4/29 昭和の日 5/ 3 憲法記念日 5/ 4 みどりの日 5/ 5 こどもの日 5/ 6 振替休日 7/21 海の日 9/15 敬老の日 9/23 秋分の日 10/13 体育の日 11/ 3 文化の日 11/23 勤労感謝の日 11/24 振替休日 12/23 天皇誕生日 となります。 そう言えば5/4 が祝日化したため「国民の休日」がなくなりましたが、規定 そのものは残っているため、ある時ふと復活する珍現象が起こる可能性があ ります。現在予想されるその珍現象は 2009/09/22 と 2015/09/22 (敬老の日と秋分の日の間となる) それまで、国民の休日は姿を消します。 現在、振替休日や国民の休日などの出現で祝日(と関連する休日)の日数は 一定しませんが、少ない年で14日、多い年は19日の祝日等があります。 9日から始まったわけですから、倍近く(時には倍以上)にも増えてきまし た。こうしてみると祝日もそろそろ「飽和期」と言っても良いかも知れませ んね。むやみやたらと増やせば国民が喜ぶなんて、政治家の皆さん、単純に 思わないように願います。 最期に、ここ数年の祝日等による年ごとの休日の日数を示します。 2006年・16日 2007年・19日 2008年・17日 2009年・17日 2010年・16日 2011年・15日 2012年・18日 2013年・17日 ※後日追記 この記事をベースに Webこよみのページに次の解説記事をまとめました。 日本の祝日の変遷 http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0332.htm
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