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■行き合いの空 今日は立秋。 七十二候は、涼風至る。 天気予報の最高気温はあいかわらず30℃を大きく上回っているというのに、 暦の上では秋ということになりました。 気温だけを見れば、まだまだ「夏」という気がしますが、それでも空に見え る雲には若干の変化が見られます。 夏の入道雲に混じって、刷毛で掃いたような巻き雲が高い空に姿をあらわし 始めました。 高い空から少しずつ秋という季節がしみ込み始めているようです。 ◇行き合いの空 古今集の夏歌の最後は 夏と秋とゆきかふ空のかよひぢは かたへすずしき風や吹くらむ 『凡河内躬恒』 夏の雲と秋の雲が混在するように、空では夏と秋が行き交っているのが今の 時期のようです。 このような時期を表す言葉に「ゆきあい(行合)」という言葉があります。 辞書で引くと 【行合】(ゆきあい) 1.行き合うこと。また、その所、その時。出合い。 2.夏と秋など、隣り合せの2季にまたがること。また、その頃。 また、この二つの季節が行き合う空を「行き合いの空」といいます。 【行合の空】(ゆきあいの そら) 1.夏秋の暑気・涼気の行き合う空。 2.牽牛・織女の2星が出合う七夕の空。 《いずれも 広辞苑・第五版 より》 行き合いの空の二つ目の説明を読んで思い出しましたが、今日はちょうど旧 暦の七夕。行き合いの空は季節の行き合いである一方で、織姫と彦星の行き 合う空でもあったのですね。 さて立秋の今日の空に、行き合うものは、夏と秋という季節でしょうか、そ れとも織姫と彦星の星々でしょうか? 真夏の暑さの残る地上から、みなさんも空を見上げてみてください。 何か昨日までとは違ったものが見つかるかも知れません。 ※本日の記事は2008/08/07の暦のこぼれ話を一部修正して再掲載したものです。
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