日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■北半球の昼は長い? 明後日、9/23は秋分の日。 秋分の日は「昼夜等分の日」などといわれますが実際は昼の方が少々長い。 東京付近で計算すると昼の長さは12時間 8分程(夜は11時間52分程)。 秋分の日の昼が夜より長い件は、いろいろなところで取り上げられる話しで すので、今日はちょっと違った昼と夜の時間の比較をしてみます。それが、 北半球と南半球での昼の長さの比較です。 ◇北半球と南半球の昼の長さ? 北半球と南半球の昼の長さの差といっても、北半球と南半球では季節が逆。 夏の方が昼の時間が長いのはどちらも変わりありませんから、日付だけで比 較する訳にはいきません。公平な条件として、「年平均」で比べてみましょ う。ちなみに昼の長さとは、日出から日没までの時間とします。 話しの始まりは、Web こよみのページの掲示板に投稿された 「陽の長さは全地球平等じゃないの?」 (投稿者:ねこのしっぽさん 2008/09/16) でした。この投稿の中でねこのしっぽさんが既にお書きになっているのです が、北半球と南半球では夏の期間、冬の期間の長さが異なるから昼の時間の 長い夏の期間が長い北半球の方が昼の長さの平均値も長いはずというのが、 ねこのしっぽさんのお考え。 夏の期間、冬の期間では漠然としすぎますので、区切りとして春分と秋分を 使って夏と冬とに区分けしてみます。 A.春分~秋分 → 北半球:夏 、 南半球:冬 B.秋分~春分 → 北半球:冬 、 南半球:夏 2008年のAの期間(春分~秋分)の長さは 186日と10時間、これに対してB の期間は 178日と 1時間。 それぞれが一年の何パーセントにあたるかで示すと A:51.0% B:49.0% です。確かに北半球の夏の期間にあたるAの方が、Bの期間よりも長い。 夏は昼の時間が長く、冬は昼の時間が短いというのは実体験としてご存じの ことと思いますから、これを見ると一年の昼の時間数もAが夏の時期にあた る北半球では多くなり、逆の南半球では少なくなることが予想されます。 ◇計算してみました。 では実際に昼の長さを計算して比較してみましょう。 Web こよみのページの日出没計算(http://koyomi8.com/sub/sunrise.htm) のページ同様、大気差・眼高・太陽地平視差などを考慮して計算した結果を 使って2008年一年分の昼時間の総計と平均を、南緯60°~北緯60°まで、緯 度15°毎に比較してみた結果は以下のとおり。 南緯60° 総計:4471.185時間 平均 12h 12m 59s 南緯45° 総計:4442.690時間 平均 12h 08m 19s 南緯30° 総計:4435.778時間 平均 12h 07m 11s 南緯15° 総計:4434.915時間 平均 12h 07m 02s 赤道上 総計:4437.664時間 平均 12h 07m 29s 北緯15° 総計:4443.949時間 平均 12h 08m 31s 北緯30° 総計:4455.358時間 平均 12h 10m 23s 北緯45° 総計:4477.150時間 平均 12h 13m 58s 北緯60° 総計:4534.511時間 平均 12h 23m 22s 日本に近い緯度、南北30°の昼の時間で比較してみると、南緯30°では年総 計4435.778時間、北緯30°では4455.358時間と、北緯30°の地点の方が、昼 の時間が 19.58時間長いのがわかります。この長さは平均した一日の昼の時 間で考えると1.6日分に相当します。 一日ごとの平均時間で考えると、その差は 3分13秒。短い時間で数が、 3分 と言えば、かの有名なウルトラマンが地球上で一度に活動出来る時間ですか ら、それより13秒も長い。 また、カップラーメンだって一つ作る時間分長いのです(残り13秒で食べき ることは至難の業だと思いますので、作るだけですけど)。 ◇ちょっと得した気分 北半球で生活していると、南半球で暮らすより一年で 1.6日分も昼が長い。 80歳までは生きると考えると、なんと 128日分もお得(緯度30°付近で)。 最近流行している言い回しを使えば、 北半球に生まれて、よかったーー!! ということでしょうか。 え、昼が長いより、夜が長い方がいいって? その場合は南半球に移住するという手も・・・。 さてあなたはどうする?
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