日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■七夕と雨 七月七日の七夕の夜は牽牛と織女が一年に一度、逢うことを許された夜。 晴れた空には、彦星(牽牛)と織姫星が天の川の両岸で輝いています。 しかし、星が輝く様を隠してしまうのが雲、そして雨。 星祭りの性格をもつ七夕の時期には、星の輝きをじゃまする雨に特別な名前 がつけられています。 ◇洗車雨(せんしゃう) 七月六日に降る雨です。 七月七日に降る雨だとされることもあります。 一年に一度、織女と会うために牽牛がせっせとその牛車を洗う水が雨となっ て降り注ぐのがこの雨の元です。 ◇洒涙雨(さいるいう) 七月七日に降る雨。 催涙雨(さいるいう)とか七夕雨(たなばたあめ)ともいいます。 牽牛と織女が一年一度の逢瀬の後で、再び別れ別れとなる際に流す惜別の涙 が雨となって地上に達するのが、洒涙雨だと云われます。 一説には、七夕の夜に雲のため逢瀬が適わない二人が流す悲しみの涙とも云 われます。 ◇七夕流し(たなばた ながし) 七夕の夜を台無しにしてしまう長雨のことを、七夕流しといいます。 旧暦の七夕(2014年の旧暦の七月七日は新暦の 8/2)は、梅雨明け後の晩夏 から初秋の行事でしたから、晴れることが多かったと思われますが、新暦の 日付で祝う七夕だと、その時期は雨の季節、梅雨のまっただ中。 「七夕流し」の長雨が降り続いている可能性が高いですね。 この記事を書きながら窓の外を見ると、外は雨。 長引きそうな小糠雨が降っています。 天気予報をみても、今日の東京は一日雨のようです。 今年の七夕は、七夕流しで台無しになってしまうかも。 雨降りて願いの糸のあはれなり (村上鬼城) 牽牛と織姫の願い適って、今朝の雨が夕方までには上がることを祈ることに いたしましょう。 洒涙雨が逢えない悲しみの雨でなく、せめて逢えて後の惜別の雨となります ように。
日刊☆こよみのページ スクラップブック