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■十三夜の月の名前いろいろ 明日は旧暦の九月十三夜、後の月見です。 もうお月見の準備は始めましたか? まだ、「暑いですね」といっていた中秋の名月の頃と違って、夜は涼しいで はなく肌寒いくらいの気候となりましたから、お月様へのお供えだけでなく て、上着の1枚も準備品に加えておいた方が良さそうですね。 ◇九月十三夜の月の名前 さてさて、九月十三夜のお月見については、昨日も書きましたが、本日は昨 日触れなかった(あるいは、ちょっとしか触れなかった)十三夜の月の呼び 名について、取り上げてみます。 ・後の月、十三夜の月 まず最初は、スタンダードなところから、「後の月」と「十三夜の月」。 「後の月」は中秋の名月の後にあるから「後の月」。そのままずばり。 そして九月十三日の夜の月だから「十三夜の月」。こっちもひねりも何もな くそのままずばり。 毎月、十三夜の月はあるじゃないかといわれそうですが、これは狭義の意味 での「十三夜の月」だとご理解ください。 同様に毎月十五夜の月があっても「十五夜の月」という言葉は狭義には「中 秋の名月」を指す言葉となるのと同様です。 ・豆名月、栗名月 お月見と云えば、お月様にお供えをするわけですが、そのお供えの基本はそ の年の収穫物。中秋の名月には、芋(里芋)が供えられることが多いことか ら、芋名月と呼ばれるようになったごとく、後の月が豆名月、栗名月と呼ば れるのは、このお供え物として、この時期であれば豆や栗が主であったこと によると考えられます。 地方によっては、同じ時期でも収穫物の種類は異なるでしょうから、そうし た収穫物と結びついた、独特の呼び名もあるかもしれません。 ちなみに、山形県米沢市周辺では 芋名月 ←→ 豆名月 が一般的な呼び方と反対になっているそうです。 ・小麦の名月 こっちはちょっと違いますが、新潟県の佐渡や長野県の北安曇郡などでは小 麦の名月の名があるそうです。これは、秋まきの小麦の豊作を願っての呼び 名ではないかと考えます。この晩の月がよく見えれば、小麦が豊作になると いう言い伝えもあるそうですから。 ・姥月、女名月 さてようやく本日のこぼれ話の題名とした「姥月(うばづき)」と「女名月 (おんなめいげつ)」の登場です。 女名月の方は、中秋の名月との対比で、それぞれを男名月、女名月と呼び分 けたものです。大正月を男正月、小正月を女正月と呼ぶのと同じですね。 「姥月」の方はというと・・・中秋の名月の後の月ですから、年経た名月と のいいでしょうか。 姥というと、老女とか老婆という意味がありますので、そのまま受け取ると ちょっと、その、なんですな~となりますが、そこまで深い意味は無いと、 思います。多分・・・。 ・名残の月、二夜の月 中秋の名月、そして後の月と二月続いた月見もいよいよ最後と言うことで十 三夜の月を「名残(なごり)の月」と呼ぶこともあります。 また、中秋の名月と併せて「二夜(ふたよ)の月」とも呼びます。 ◇さて明日は? 十三夜の月、後の月、豆名月、栗名月、小麦の名月、姥月、女名月、名残の 月と様々な呼び名を持つ明日の月ですが、ご機嫌よく、夜空を照らしてくれ るでしょうか? オリジナル記事:日刊☆こよみのページ 2015/10/24 号 <前の記事 《目次 暦のこぼれ話/コトノハ》 次の記事> こよみのぺーじ
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