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■同じ六曜の日は連続して現れるか? 本日は、既にこのコーナーで何度か(何度も?)採り上げてきた六曜の順番 の話です。 え、また? なんて言わずにお付き合い下さい。 ◇六曜についての復習 この辺は既に「何度も」書いてきた話ですが、大切な事なので確認の意味で 復習しておきましょう。 ・六曜とは ◇六曜とは 六曜(ろくよう)とは、他に六輝(ろっき、「六輝星」とも)などとも呼ば れるもので、現在は大安、赤口、先勝、友引、先負、仏滅の六種類によって 日の吉凶を表すものと考えられています。 六曜の別名六輝ですが、六曜の「曜」は元々「かがやく」意味の文字ですの で、同じく「かがやく」と読む「輝」に置き換えたもので、こういう呼び名 が登場したのは明治以後。比較的近年のことと言えます。 ・六曜とその順番 六曜は基本的には、 大安→赤口→先勝→友引→先負→仏滅→大安・・・ と循環しているものです。 今日は「大安」ですから明日は「赤口」となります。 ほとんどの場合、この「循環」が続いています。 ここでわざわざ「ほとんどの場合循環する」と書いたとおりで「ずっと」循 環するわけではありません。時々この循環が途切れることがあります。 どんなところで変わるのかというと、それは旧暦の暦月の変わり目です。 ・ある日の六曜の求め方 旧暦の暦月の変わり目で六曜の順番が変わると書いたところで察しがついて いると思いますが、六曜は旧暦月毎に決まるものです。 ちなみに、こんな風に暦月(旧暦の)毎に並びが決まる暦注を「月切りの暦 注」と言いますから、六曜もそうした暦注の一つと云うことが出来ます(六 曜を「暦注」の仲間と捉えるか否かについては、賛否があるでしょうが)。 では旧暦月(と日)と六曜がどのような関係にあるかというと、これはとっ ても簡単。旧暦の月と日のさえ解れば六曜はあっさり求まります。 (旧暦の月+旧暦の日)÷6 の余りが六曜 というのがその規則。六曜それぞれの「余り」は 0:大安 , 1:赤口 , 2:先勝 , 3:友引 , 4:先負 , 5:仏滅 となります。 今日(2016/11/19)は旧暦では 10/20ですから、六曜を計算すれば (10 + 20) ÷ 6 = 5 余り 0 必要なのは余りの数で 「0」。余り 0は「大安」という訳です。旧暦の月が 変わらない間は、日付が 1づつ増えて行くだけですから、この間は六曜は循 環しますが、月が変わるところでこの関係が変化するため六曜も不連続にな るのです。 では、旧暦月の変わり目でどのように順番が変化するかという例で、次の旧 暦月の切り替わり前後の六曜について考えてみます。 現在は旧暦では十月ですから、十月末日と十一月一日の六曜を考えます。 (10 + 29) ÷ 6 = 6 余り 3 (=友引) ※今回の十月は29日まで (11 + 1) ÷ 6 = 2 余り 0 (=大安) 普通であれば友引の後は先負のはずですが、実際の暦では友引の翌日は大安 となって、一般的な六曜の並びとなっていません。「な~んだ、こんな簡単 な話なのか」と云うくらいの簡単な六曜の求め方でした。 ◇本題:同じ六曜の日は連続して現れるか? さて、やっとタイトルの話です。 六曜は普通は循環しているので、同じ六曜が連続すると云うことはあり得ま せん。これは簡単に分かります。では同じ六曜が連続する可能性があるとこ ろはといえば、旧暦月の切り替わりの箇所だけとなります。 では考えてみましょう。 一月から十二月の月の初め(一日)の六曜を、既に説明した式で考えてみま す。考えやすくするため、六曜そのもので無く、それを表す「余り」の数字 で見ていきます。 一月 2 , 二月 3 , 三月 4 , 四月 5 , 五月 0 , 六月 1 , 七月 2 , 八月 3 , 九月 4 , 十月 5 , 十一月 0 , 十二月 1 では月末の六曜はというと、旧暦の場合は月末の日付は二十九日(小の月) か三十日(大の月)の二種類だけですので、大したバリエーションはありま せん。 一月 0 1, 二月 1 2, 三月 2 3, 四月 3 4, 五月 4 5, 六月 5 0, 七月 0,1, 八月 1 2, 九月 2 3, 十月 3 4, 十一月 4 5, 十二月 5 0 「同じ六曜の日が連続して現れる」としたら、この月末の日の六曜を表す数 字と、次の月の一日の数字が同じになると云うことです。そうした月はがあ るかというと・・・ご覧のとおり、ありません。 月末の六曜より次の月の初め(一日)の六曜は必ず、2ないし3だけ進んでし まいます。ですから同じ六曜が連続して出現するということは絶対にありま せん。 ◇旧暦月の切り替わりを跨いで六曜が連続することはあるか? 折角なのでついでに考えてみます。 でも結論は出ています。こうした旧暦月を跨ぐ箇所で六曜が連続するという ことは、月末の日と翌月の一日の例の「あまりの数字」が 1だけ進む という状態です。 既に書いたとおり実際には「2または3進む」ので、旧暦月の切り替わりの箇 所では必ず六曜は断続してしまうことになります。 どっちの話もまあ、考えてみればあたりまえの話なんですけど。 なお、本日の暦のこぼれ話は Webこよみのページの掲示板にマニフェス党々 首さんが2016/11/13に書き込んだ 同じ六曜が2日連続で表われる可能性 という書き込みを読んで、「あ、こんな疑問を持つ人もいるんだよな」と、 気づいて書き始めたものです。 掲示板に書き込みして下さったマニフェス党々首さんは、ご自分で解決して らっしゃいました(掲示板への書き込みに気づかないうちに・・・)ので、 出る幕は無かったのですが、折角なので私風の解説として書いてみました。 きっと、マニフェス党々首さん意外にも、同じようなことを考えた方がいら っしゃるのでは無いかなと思いましたので。 少しは役に立ったかな?
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