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■「旧正月」と「重ね正月」 西暦 2022年 2月 1日 [月の] 第1週 第1火曜 [年の] 32日目 旧暦 1月(大) 1日 (先勝) 本日の日刊☆こよみのページの今日の暦のデータを再掲してみました。 本日は、現在私たちが日常的に使っている暦では2月1日ですが、この日を旧 暦の月日で示せば、1月1日、つまり元日に当たっています。 これからしばらくは、一月違いですが暦の日並みは新暦と旧暦とで一致する ことになります。 ◇旧正月と春節 日本においては旧暦の正月、旧正月で正月行事を行うという地域は少なくな ったと思いますが、お隣の国中国ではそうではありません。旧暦の正月の方 が、新暦の正月より盛大に祝われるようです。 中国では旧暦(中国では「農暦」と呼ぶ)の元日を 「春節」 と呼び、この日は現在でも祝日となっています。 中国でも公的な暦は現在は日本やその他の多くの国がそうしているようにグ レゴリウス暦と呼ばれる太陽暦です。 中国のグレゴリウス暦への切り替えは1912年。改暦から既に 100年以上が経 過しています。それまで使われていた時憲暦と呼ばれる太陰太陽暦が日本で いうところの「旧暦」となったわけです。 中国でも公的には旧暦(農暦)は使われていませんが、春節が祝日になって いることで、中国での旧暦計算の結果がどのようになっているか、検証する 際には、よい手掛かりになります。 ちなみに、中国の旧暦に相当する暦の元は「時憲暦」という暦で、日本のも のは「天保暦」。 時憲暦も天保暦も中国発祥の太陰太陽暦の一つなので、よく似た暦ですから 両者によって作られた旧暦の月日の並びも基本的にはよく似たものになりま す。しかしながら、時憲暦も天保暦もよく似た暦ではありますが完全に同 じ暦ではありませんので、時として両者の計算結果から作られた月日の並び が異なる場合もあります。 時憲暦と天保暦の違いで最も目立つ違いといったらそれは・・・時間の区切 に使う子午線の経度の違いがあります。 基準の子午線として中国では東経120°を用いており、日本では東経135°を 用いていて、その差15°。これは時差で考えるとちょうど1時間の差となり ます。ですので 日本で0時を迎え、日付が切り替わる瞬間は、 中国ではまだ前日の23時 ということもあるので、もし新月の瞬間がこの日付の違いを生む時間帯に あったとすると、日付が異なってしまうことがあります(場合によっては 1カ月ずれてしまうことも)ので、その点は誤解の無いように。 まあ、そうそうあることではありませんが。 今年はというと、中国の春節も日本の旧暦元日も同じ日ですので、中国では 今日はいろいろなお祝いが行われていることでしょうね。 ◇重ね正月 本日の記念日データには 重ね正月、一夜正月 というものがありました。 本来の正月を終え、二月に入ったその日を、仮に2度目の正月と考えて、1年 余分に年を取る(数え年で)と考えるもの。厄年に当たっている人に、この 重ね正月によって一つ年を取らせることで、厄年を1年間ではなくて本来の 正月1カ月だけで終わらせてしまおうという、一種の厄祓い行事です。 そんなわけで、新暦では本日が二月一日ですので、この日は「重ね正月」と いうことになります。厄年の方、朗報ですね(?)。 そしてまた本日は、すでに書いたとおり旧暦では元日ですから 新暦の「重ね正月」と旧暦の「正月(元日)」 がたまたま今年は一致しました。 まあ、だから何だというわけではないのですが、このように新暦の重ね正月 の日と旧暦の正月元日が一致するのは比較的珍しいことなので、取り上げて みました。どのくらい珍しいかというと 前回は2003年、次回は2041年 前回~今回~次回の間隔は19年ですから、まあ、そこそこ珍しいことといっ てもよさそうですね。 このこと自体に重要な意味はありませんが、単に物珍しい年ということで、 本日は旧正月と重ね正月の二つの正月(&春節の話)を書いてみました。 まあ、何かの際には雑学ネタとしてご活用ください。
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