日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■日の出の早まりを実感する季節 明日は春分の日。 春分と言えば昔から「昼夜等分の日」と言われる日でした。 もっとも、日刊☆こよみのページの読者の皆さんならご存じのとおりで、日 の出から日の入りまでを「昼」、そして残りを「夜」と考えて計算すると、 春分の日は昼夜等分の日とは言えません。試しに東京での今年(2022年)で 計算してみると、昼と夜の時間が等分となる日(12時間ずつになる)ひは、 3/17 (と 9/17・・・こっちは秋分の日、9/23付近) です。もっとも、春分の日が昼夜等分の日でないといっても、これは昼と夜 をどこで分けるか、日の出や日の入りの時刻とはどのような瞬間かと定義す るのかという問題が絡むので、春分の日が昼夜等分の日と考えられてきたこ とが、まったくでたらめと言うことではありません(時代が変われば定義も 変わるってこととお考えください)。 と、昼夜等分の日を考えるために、日の出日の入りとはと考えたところで、 日の出時刻について、一つ話を書いてみることにしました。 ◇日の出が早まる季節 季節によって、日の出や日の入りの時刻が変化するのは、何方も実体験とし てご存じのことと思います。冬の間は日の出が遅くて、日の入りが早く、冬 至の日は、一年で一番昼の時間が短くなる日です。夏は逆に日の出が早く、 日の入りは遅くなって、夏至の日には昼の時間が最も長くなる日。 と、ここまではよく知られた事実だと思いますが、ではその変化の割合はど う変化するのでしょうか? 冬至から夏至まで一定に変化する・・・なんて ことは、もちろんありません。 ここでは日の出の時刻の変化を調べてみることにします。 計算地点は東京として、毎月の15日の日の出時刻から14日の日の出時刻を差 し引いてみると結果は 月 日出差 ( 日没差 昼の差) 1月 +0.24分 (-0.96分 -1.20分) 2月 +1.08分 (-0.96分 -2.04分) 3月 +1.44分 (-0.84分 -2.28分) 4月 +1.32分 (-0.90分 -2.22分) 5月 +0.78分 (-0.84分 -1.62分) 6月 -0.06分 (-0.30分 -0.24分) 7月 -0.60分 (+0.48分 +1.08分) 8月 -0.78分 (+1.14分 +1.92分) 9月 -0.72分 (+1.44分 +2.16分) 10月 -0.84分 (+1.26分 +2.10分) 11月 -0.96分 (+0.66分 +1.62分) 12月 -0.66分 (-0.30分 +0.36分) となります。()の中身は、日出の差を計算するついでに、日没の時刻と、 日出~日没までの昼の時間について同様の計算をしたものです。参考までに ご覧ください。 日出差の数値が大きいほど、日の出の時刻がその前日より大きく早まってい ることを示しています。数値を見ると、3月(15日)はその前日より日の出 の時刻が1.44分(約1分26秒)早くなると言うわけで、1年の中で3月が日の 出の時刻が早まる度合いが一番大きなだと解ります。 日の出の時刻の変化は、3~4月が一年で一番大きいことが解ります(逆に、 マイナス方向に大きいのは11~12月にかけて)。 ついでに計算した日の入りについても見てみると、日の入りの時刻の早まる 度合いが一番大きいのは9~10月にかけて。 日の出の時刻が早まる度合いは春分の日前後が最も大きく、日の入りの時刻 が早まる度合いは秋分の日前後が最も大きくなることが解ります。 「彼岸の頃になると、日一日と日の出が早まるのを実感します」 なんてことを、早起きの方々から窺いますが、数値的にも本当にそのとおり だと解ります(早朝散歩が日課で無い私なので、計算で確認)。 たまには、早起きして計算ではなくて「実体験」として日の出の時刻の変化 を経験してみようかな? これを機に「早朝散歩の習慣」を身につけるのも いいかもしれません。「健康のために」という年齢でもありますから。 皆さんもいかがです? 早朝の散歩なんて。 ※おまけ 記事を書くために計算した日の出、日の入り、昼の時間の前日との変化に ついては、グラフで見た方が解りやすいと思いますので後ほど(メールマガ ジン配信後 30分くらいしたら・・・)、次のアドレスにアップしておきま すので、興味のある方はご覧ください。 グラフのURL http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2022/20220320_sunrise.png
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