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■日の出の早まりを実感する季節
 明日は春分の日。
 春分と言えば昔から「昼夜等分の日」と言われる日でした。

 もっとも、日刊☆こよみのページの読者の皆さんならご存じのとおりで、日
 の出から日の入りまでを「昼」、そして残りを「夜」と考えて計算すると、
 春分の日は昼夜等分の日とは言えません。試しに東京での今年(2022年)で
 計算してみると、昼と夜の時間が等分となる日(12時間ずつになる)ひは、

  3/17 (と 9/17・・・こっちは秋分の日、9/23付近)

 です。もっとも、春分の日が昼夜等分の日でないといっても、これは昼と夜
 をどこで分けるか、日の出や日の入りの時刻とはどのような瞬間かと定義す
 るのかという問題が絡むので、春分の日が昼夜等分の日と考えられてきたこ
 とが、まったくでたらめと言うことではありません(時代が変われば定義も
 変わるってこととお考えください)。

 と、昼夜等分の日を考えるために、日の出日の入りとはと考えたところで、
 日の出時刻について、一つ話を書いてみることにしました。

◇日の出が早まる季節
 季節によって、日の出や日の入りの時刻が変化するのは、何方も実体験とし
 てご存じのことと思います。冬の間は日の出が遅くて、日の入りが早く、冬
 至の日は、一年で一番昼の時間が短くなる日です。夏は逆に日の出が早く、
 日の入りは遅くなって、夏至の日には昼の時間が最も長くなる日。

 と、ここまではよく知られた事実だと思いますが、ではその変化の割合はど
 う変化するのでしょうか? 冬至から夏至まで一定に変化する・・・なんて
 ことは、もちろんありません。
 ここでは日の出の時刻の変化を調べてみることにします。
 計算地点は東京として、毎月の15日の日の出時刻から14日の日の出時刻を差
 し引いてみると結果は

   月  日出差 ( 日没差  昼の差)
  1月 +0.24分 (-0.96分 -1.20分)
  2月 +1.08分 (-0.96分 -2.04分)
  3月 +1.44分 (-0.84分 -2.28分)
  4月 +1.32分 (-0.90分 -2.22分)
  5月 +0.78分 (-0.84分 -1.62分)
  6月 -0.06分 (-0.30分 -0.24分)
  7月 -0.60分 (+0.48分 +1.08分)
  8月 -0.78分 (+1.14分 +1.92分)
  9月 -0.72分 (+1.44分 +2.16分)
 10月 -0.84分 (+1.26分 +2.10分)
 11月 -0.96分 (+0.66分 +1.62分)
 12月 -0.66分 (-0.30分 +0.36分)

 となります。()の中身は、日出の差を計算するついでに、日没の時刻と、
 日出~日没までの昼の時間について同様の計算をしたものです。参考までに
 ご覧ください。

 日出差の数値が大きいほど、日の出の時刻がその前日より大きく早まってい
 ることを示しています。数値を見ると、3月(15日)はその前日より日の出
 の時刻が1.44分(約1分26秒)早くなると言うわけで、1年の中で3月が日の
 出の時刻が早まる度合いが一番大きなだと解ります。

 日の出の時刻の変化は、3~4月が一年で一番大きいことが解ります(逆に、
 マイナス方向に大きいのは11~12月にかけて)。
 ついでに計算した日の入りについても見てみると、日の入りの時刻の早まる
 度合いが一番大きいのは9~10月にかけて。

 日の出の時刻が早まる度合いは春分の日前後が最も大きく、日の入りの時刻
 が早まる度合いは秋分の日前後が最も大きくなることが解ります。

  「彼岸の頃になると、日一日と日の出が早まるのを実感します」

 なんてことを、早起きの方々から窺いますが、数値的にも本当にそのとおり
 だと解ります(早朝散歩が日課で無い私なので、計算で確認)。

 たまには、早起きして計算ではなくて「実体験」として日の出の時刻の変化
 を経験してみようかな? これを機に「早朝散歩の習慣」を身につけるのも
 いいかもしれません。「健康のために」という年齢でもありますから。

 皆さんもいかがです?
 早朝の散歩なんて。

 ※おまけ
 記事を書くために計算した日の出、日の入り、昼の時間の前日との変化に
 ついては、グラフで見た方が解りやすいと思いますので後ほど(メールマガ
 ジン配信後 30分くらいしたら・・・)、次のアドレスにアップしておきま
 すので、興味のある方はご覧ください。
 グラフのURL
 http://koyomi8.com/cgi/magu/img/2022/20220320_sunrise.png

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