日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■墜栗花」(ついりばな、ついり) 「何だろう、この青臭い匂いは」 家の周囲の雑木林から青臭い匂いがするのは当たり前といえば当たり前なの ですが、この時期になると一際、青臭さい匂いが際立ってきます。 雑木林に目をやると、沢山の緑の葉の間に小さな花が沢山集まった長さ15~ 20センチメートルほどの黄白色の房のような、犬の尻尾のような花が咲いて いるのに気がつきました。青臭い匂いの元は、この犬の尻尾のような花、栗 の花の匂いでした。 正直、「香り」とは言い難いのであえて「匂い」と書かせて頂きます。 ああ、梅雨が近いのですね。 おそらくこの雑木の間に生えている栗は、シバグリ(芝栗)でしょう。八月 の終わりになれば、あの針に包まれた栗の果が枝の先に姿を見せることでし ょう。 ◇栗の花と梅雨 栗の花は梅雨入りの少し前に咲く花です。 この花が咲き、やがて花が終わって落ちるようになると、梅雨の季節となる ということから、栗の花は「墜栗花」(ついりばな、あるいは、ついり)と 呼ばれ、梅雨を知らせる花とされます。「墜栗花」の「ついり」という言葉 は、梅雨入りの意味です。 昨日は関東・甲信越地方の梅雨入り下というニュースが流れてきました。 ここ舞鶴の梅雨入りの発表はありませんでしたが、少し前から栗の花は盛ん にその青臭い匂いを辺りにまき散らしていましたから、もうそろそろ花の盛 りを過ぎる頃。花の盛りを過ぎれば、栗の花も墜ち、梅雨の季節を迎えるこ とになるのでしょう。 皆さんの周りにはこの、青臭い匂いをまき散らす栗の花がありますか? 皆さんのお住まいの場所でも、栗の花が梅雨の前のひととき、盛大に咲いて いるのではないでしょうか?
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