日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■「土用丑の日」が2度ある年は何度ある? 明日は土用丑の日(7/23)ですので、広く定着したこの「土用丑の日」とい う行事の話題を採り上げてみます。 土用丑の日の話をとりあげるといっても、日付の話ですけれど。 ◇一の丑と二の丑 明日は土用丑の日ですが、今年はもう一度土用丑の日がめぐってきます。こ んな場合、両者を区別するため、前者を「一の丑」、後者を「二の丑」と呼 ぶことがあります。 「今年は二の丑が有ります」なんていう話しを聞くと誰しも 普通は「土用丑の日」は一回しかないが、希に二度ある年もある と考えると思うのですがさて現実はどうなのでしょうか。 まず土用の日数について考えてみましょう。 コトノハでお世話になる広辞苑によれば 【土用】(どよう) 暦法で、立夏の前18日を春の土用、立秋の前18日を夏の土用、立冬の前18 日を秋の土用、立春の前18日を冬の土用といい、その初めの日を土用の入 りという。普通には夏の土用を指していう。夏の季語。 《広辞苑・第七版》 と有ります。つまり一つの土用(今回は夏土用)は18日というわけです・・ といいたいところですが、この説明は正しくありません。現在の採用されて いる定気法という計算方法(天保暦から採用された方式)では土用は18日だ けでなく19日になることもあるからです(今回は18日でした)。 まあ広辞苑は国語辞書ですからあまり細かなあら探しをしても仕方がありま せんが、日刊☆こよみのページのページ読者のみなさんはお間違えのないよ うに。 話しが横道にそれましたが、夏の土用の期間は18~19日。そして「丑の日」 の「丑」は十二支の丑なので、12日毎にめぐって来ることになります。 土用の期間の 1日目が丑の日なら、13日目が二の丑の日 (中略) 土用の期間の 6日目が丑の日なら、18日目が二の丑の日 土用の期間の 7日目が丑の日なら、19日目が二の丑の日 という関係が出来ます。12日ごとにめぐってくる丑の日が土用の最初の1~7 日目に来れば二の丑の日が出来るということは、二の丑の日の出現する確率 は、 6/12 = 50%(土用の期間が18日の場合) 7/12 ≒ 58%(土曜の期間が19日の場合) 夏の土用の日数が19日間である率がおよそ80%となるので、この割合で考え ると、夏の土用の間に二の丑が登場する割合は 50×0.2 + 58×0.8 ≒ 56(%) こうしてみると、一の丑しかない年の確率は約44%ですから、二の丑の日が ある年の方が一の丑しかない年に比べると約 1.3倍もあることになります。 こうしてみると二の丑の有る方が「普通の年」みたいですね。 ◇更なる「土用丑の日」 こちらはまだ定着してはいないようですが、「土用」が四季全部に有るもの なのだから「土用丑の日」も夏土用だけでなくて良いだろうといって、他の 季節の「丑の日」が計算出来るページを作って下さいという要望が昔あって (どんな業界の方からの要望かは書かなくても分かりますよね)現在のWeb こよみのページの 土用と土用の間日、丑の日の計算 (http://koyomi8.com/sub/doyou.htm) には他の土用の期間の「丑の日」も参考として計算するようになりました。 うーん、要望があったら済し崩しに要望を受け入れてよいものか? と悩む 処ではありますが、夏土用の期間以外の「丑の日」を計算したって、あまり 弊害はないだろうなと思って「済し崩し」に作ってしまっています。 (迷惑するのは鰻くらいですかね) 最後の最後になってしまいましたが今年は 7/23(一の丑)、8/4(二の丑) と主流派である土用丑の日が2度ある年です。 鰻たちには迷惑な年でありかつ、高騰中の鰻の値段を考えると家計にも迷惑 な年となりそうです。
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