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■「うるう秒」がなくなる? (その3)
 さてさて、このシリーズも(その3)となりました。そしてようやく「ひと
 まず完結」としたいと思っています。書いてみたら(その3)だけでも、結
 構な分量になってしまったので、暇な時に何回かに分けてお読みください。
 では早速「完結編」を書き始めます。

 その1,2で書いてきたとおり、人間は時を測るために、最初は地球の自転
 (や公転)によって生じる天体の見かけの動きの周期性を利用した天文時を
 使用しました。

 天文時は天文現象を観測して「時刻」を決定するものでしたが、これで得ら
 れるものは、ある一瞬を表す時刻だけでした。
 やがて時計(砂時計、水時計、火時計、機械式時計・・・)という装置が発
 明され、観測によって得られた天文時の時刻と時刻の間を補間して使うよう
 になりました。

 この時点では時計を使っているとは言っても、あくまでも主は天文現象を観
 測して得た時刻でしたから、この時代は天文時だけが使われた時代だと言う
 ことが出来るでしょう。

 時計はこのように、天文時の時刻と時刻の間を補間するための道具として生
 まれたのですが、科学技術の発達に従って時計も進化、発展し、現在では不
 変と考えられる物理現象を基準として「時間」を測ることの出来る原子時計
 にたどり着きました。天文時を補間するための道具であった時計が、今では
 天文時の元となる天文現象の周期の変動すら、極めて正確に検証できる装置
 となったのでした。

 この結果、現在は古の昔から慣れ親しんできた天文時(UT)と、高度な時計に
 よって管理される原子時(TAI)という二つの時系を持つようになりました。
 この二つの時系は異なる原理によって組み立てられたものですので、別々に
 管理、運用したとしても問題は無いものなのですが、これを使う人間の側か
 ら考えると、二つの時系が存在し、しかもそれが無関係に管理運用されると
 いうのは困ったことです。

 そこで、この二つの時系を上手く調整して、日常に使う時系として考案され
 たのが、協定世界時(UTC)でした。

◇UTCはなぜ必要?
 UTとTAIを調整して出来たUTCとはどういうものか、(その2)に書いた内容
 ですが確認のためにもう一度書きます。

 ・1972年1月1日0時において、 TAI = UTC + 10秒 とする。
 ・UTCの1秒はTAIの1秒と同じ長さとする。
 ・UTCとTAIの差は整数秒となるよう調整する。
 ・UTCとUT1の差は一定範囲を越えることのないよう整数の閏秒の挿入、削除
  によって調整する。

 さて、UTとTAIの関係は分かりましたが、なぜこんな面倒なことをして二つ
 の時系を関係づける必要があるのでしょう?
 「別々でもいいじゃない?」と思いませんか。
 現に、そういう考えもあります(どちらかと言うと私も)。

 現在では大部分の方の生活は時計の示す時刻に従がっているのではないでし
 ょうか。誰も、太陽の南中するのを観測して「正午になったので、お昼食べ
 に行きます」なんてことをしてはいないでしょう。時計が正午を示している
 ので「そろそろお昼ご飯にするか」と言う具合ですね。

 何だ、時計の示す時系(TAI)だけでいいじゃない? でも現実には「別々じゃ
 困るよ」という考えが強かったので、UTCが生まれたわけです。
 ではこの「別々じゃ困る」理由とは何でしょう。

 1.今まで天文時を使ってきたんだから、これからもそれでいこうよ。
 2.地球の自転の度合いが分からないと天文測位が出来なくなって困ります。

 TAIだけではいけない理由を考えると、この2つの理由に行き着きます。
 2の天文測位の問題は確かに問題なので、これは分かります。

 しかし、おそらく時計の時刻だけじゃいけないという最大の理由は1の方で
 しょうね。人類の文明の萌芽の時期から人間は天体の動きによって時刻を知
 るという生活を送ってきましたから、そうした長年の習慣、慣習をいきなり
 止めることには大きな抵抗を感じるのでしょう。

 いくら原子時計の1秒が正確でも、長い月日が流れて原子時と天文時が大き
 くずれてしまい「時計は正午を指しているのに、外は夜」なんてことになっ
 てしまったら、やっぱり変。やはり天文時を基準として時々時計の示す時刻
 を調整(進ませたり、遅らせたり)して使おうよ。
 そんな風に考えたわけです。

 お気持ちはよく分かります。こうした考えの結果、現在のUTCが出来たわけ
 です。ですから、UTCは普段は物理的定義で決定されたTAIの1秒の長さを積
 算した時計の時間を使って運用しながら、UTCと天文時が一定量以上の差を
 生じた場合には、天文時に近似的に合わせるように閏秒を挿入・削除してい
 るのです。

 さて、正確な時計の時刻があっても天文時から完全に離れられないという、
 UTCの必要な理由は分かりました。では、天文時とUTCの許容できる差ってど
 の程度でしょう? これが次の問題です。

 この問題について考える時、1の「今までそうしてきた」という慣習の問題
 の誤差の許容量を見積もるのは困難ですが、そんなに小さい値とは思えませ
 んので、取りあえず保留して、2の天文測位についての誤差の許容量を考え
 てみましょう。

 天文測位の測位誤差の量と天文時と時刻の誤差との関係は、ある地点が地球
 の自転で1秒間にどれくらい動くか考えることで見積もることが出来ます。
 例として自転による移動速度が最大となる地球の赤道上で考えてみます。

 赤道の全周長は4万kmあり、この距離が自転によって1日で一周分だけ回転す
 るわけです(ここでの1日は1恒星日≒23時間56分4秒を使います)から、1秒
 でざっと460m程動くことになります。

 洋上の船舶などで行う単独の天文測位の精度は1海里(1852m)程、非常に熟練
 した観測者でも0.1海里程度と言われるので、天文時と時計の時刻とのずれ
 が1秒程度であれば、標準的な天文測位の精度から考えれば許容可能な誤差
 と言えそうです。1秒というきりの良さもいい感じです。
 UTCの閏秒の定義の最初にある

 ・閏秒は協定世界時UTCと世界時UT1との差が0.9秒以上とならないよう、
  UTCに対して1秒単位で挿入または削除する秒のことである。

 の「差が0.9秒以上とならない」はこの天文測位から考えた差の上限を考慮
 したものと言えるでしょう。

 こうして、正確な時計の時刻と、慣れ親しんだ天体(主に太陽)の動きに連
 動した時刻に連動し、なおかつ天文測位にも使える現在のUTCが出来上がり
 これが日常の生活に用いられる基準の時系となりました(現在のUTCが出来
 たのが1972年ですから、今年2022年はちょうどUTC誕生から50年という節目
 の年でした。ま、偶然ですけど)。

◇コンピュータと連続的な時系の必要性
 さて、こうしていろいろな要望に対して、それなりに満足のいくUTCの仕組
 みができましたが、このUTCであっても困った問題を引き起こす出来事が起
 こるようになりました。その困った問題はコンピュータなどの電子機器の発
 達とともに顕在化してきました。

 コンピュータに代表される電子機器の多くは、その内部に一種の時計を持っ
 ていて、その時計の刻む時刻を参照しながら様々な動作を行います。毎日決
 まった時刻に特定のプログラムを実行するタイマー機能などを考えれば分か
 りやすいでしょうか。

 今なら、毎朝決まった時刻に鳴り出すスマートフォンのアラームを目覚まし
 時計として使っているという方など多いと思いますが、これもそうした使用
 例の一つです。

 目覚まし時計の代わりくらいなら、それぞれのコンピュータの独立した内蔵
 時計が多少狂っていたとしても、あまり問題無いのですが、多数のコンピュ
 ータが結びついたネットワークシステムでは、これに繋がったコンピュータ
 間での時計のズレは様々な問題を引き起こすため、きちんと同期をとること
 が重要になります。

 当たり前のことですが、時は過去から未来へと一方通行に流れるもので逆転
 することがないですから、この性質を用いてデータの正当性(後から改竄さ
 れたりしなかったか)などの検証に使われることもあります。見慣れたファ
 イルの作成や更新されたタイミングを記録したタイムスタンプなどを思い出
 してください。一目で、どちらのファイルが新しいか知ることが出来ます。

 こうしたチェックが確実に行えるのはシステム内の機器の時計が同期されて
 いることが前提となります。

 コンピュータの発達にともなって、コンピュータ同士の間で共通に使われる
 時系が出来てきました。現在広く使われている、UNIX time, POSIX time な
 どがそれです。UNIX timeは

  1970年1月1日0時0分0秒 (これをUNIXエポックといいます)

 からの経過秒数によって示される時系です。
 UNIXエポックからの秒数を数えるだけというUNIX timeは単純で面倒がなく
 時間の流れの後先を知ること同期をとることに関しては問題無い便利な時系
 です(コンピュータにとっては)。ただ、人間が扱うとなると、

  現在はUNIX timeで 1672552813.4350秒です

 なんて言われても困ってしまうので、のUNIX timeを人間の分かりやすい年
 月日時分秒に変換してくれるような仕組みがコンピュータにはありますので
 ご安心ください。コンピュータは案外人間に優しいのです。

 さて、こんな人間に優しいコンピュータではありますが、そんなコンピュー
 タでも何でも全てを優しく処理してくれるわけではありません。時系につい
 てもちょっとした違いがあります。UNIX timeはあくまでもUNIXエポックか
 らの経過秒数です。これを年月日時分秒という慣れ親しんだ時刻表示に変換
 する場合を考えます。

 コンピュータは「1日は1秒の86400倍」と考えますから86400秒を1日と変換
 します。ところが、それを使う人間は時々、閏秒なんていうおかしなものを
 追加したり削除したりするため、1日が86401秒なんていうおかしな日があっ
 たりするのです。それも、その閏秒がいつ入るかは決まっていないときてい
 る。

 いくら人間に優しいコンピュータでもそこまで人間の我が儘にはかまってい
 られない・・・。そういうわけで、UNIT timeのカウントする秒数にはその
 間に人間が挿入したり削除したりした閏秒はカウントされていません。そん
 なものをカウントするとすると、コンピュータ内の時系の一貫性が失われて
 しまいますから。

 さてさて、人間と人間に優しいコンピュータでしたが、ここに閏秒という厄
 介なものが登場すると両者の関係が悪化しました。

 ここで少し横道にそれてしまいますが、同じ「閏」でも閏年やその年の2/29
 という閏日と閏秒には大きな違いがあります。閏年や閏日というのはイレギ
 ュラーな存在に見えますがそれでも「閏年は何年で閏日はその何日目か」が
 予め決められています。つまり時系(この場合は Time System)に組み込ま
 れたものなのです。

 ところが、閏秒は地球の自転という人間が勝手に決めたTime Systemの外の
 出来事によって生み出されるものなので、今のところ、この追加・削除をい
 つ行うかを予め予測する事が出来ないのです。そのためUTCの閏秒の規定の
 最後の

 ・地球回転事業IERSは閏秒実施の少なくとも8週間前までに閏秒調整実施の
  告知を行わなければならない。

 にあるように、地球の自転を監視する各種の観測の結果から、UTCとUT1との
 間の差が0.9秒を越えそうになると、閏秒の追加・削除が告知されることに
 なるのです。「1日は86400秒と決まっている」という規則で動いているコン
 ピュータにとっては

  「閏秒なんて、知らんがな」

 と言ったところでしょう。それでも、今の「人間に優しいコンピュータ」は
 「知らんがな」といいつつ、我が儘な人間に対応するために、閏秒に対応す
 る仕組みも作ってくれています。一般的な対応としては「1日は86400秒」と
 いう基本を崩すことがないように、閏秒の挿入・削除の、例えば1000秒前か
 ら、1秒の長さを少しだけ伸ばした1.001秒でカウントすることでUTC側では
 1001秒目にコンピュータの秒カウントが1000になるような調整をします。

 ちょっとズルしているみたいですが、取りあえずは大きな問題を引き起こさ
 ずに済みます。目出度し目出度しと言うわけですが、それでも予想外の問題
 は発生します。特に、こうした特別な調整法を持たない古いコンピュータな
 どがシステムのどこかにある場合、システム内に時刻の矛盾が発生して、予
 想外のトラブルが発生することがあります。

 こうしたトラブルは閏秒の挿入・削除のたびに、大なり小なり起こっていま
 す。特に2012年の閏秒挿入時には、その挿入のタイミングが年末でなく、6
 月末という、ちょっとイレギュラーなものであったこともあってか、いくつ
 かのネットワークサービス障害や、オーストラリアのカンタス航空の予約シ
 ステム障害などが発生しました。

 この問題の厄介なのは、システムが複雑であれば複雑であるほど、この閏秒
 問題が、どこでどのような形で現れるかを予測出来ないことです。

 現在では2012年当時とは比べものにならないくらい、多くのコンピュータシ
 ステムが私たちの生活の中に入り込んでいますから、閏秒によるコンピュー
 タの誤動作問題はより一層深刻になっています。もちろん、いろいろ対処は
 進んでいますけど、想定外を完全に無くすことは出来ませんから。

◇閏秒廃止の議論
 閏秒の廃止議論は、実は昨日今日に始まったものではなく、2000年頃から何
 度も国際機関で話し合いが行われてきました。しかし、深刻に捉える国があ
 る一方、そもそもこの閏秒問題なるものがなんなのかさえ、良く理解してい
 ない国も多く、議論はなかなか進展しませんでした。

 一部には早い時期から「閏秒を止めて、閏時にしては?」なんていう、事実
 上の閏秒廃止案もあったのですが、大勢は「現在のUTCの管理方式でそれほ
 ど困っていないし今のままでいいんじゃない?」という現状維持派でした。

 しかし、月日が流れ、この問題についての理解も徐々に深まり、また2012年
 に発生した障害の事例などから現実の問題として具体的な提案とその提案に
 対する議論が行われるようになりました。そしてようやく今年(2022年)の
 11月18日に国際度量衡総会(CGPM)において、その方向性が決まりました。

  ん? 方向性??

 そう、実は決定したのは方向性で、今すぐ閏秒が無くなるとか、そういうも
 のではありませんでした。決まった方向性とは

 ・2035年までに、UTCとUT1の差の上限(現在は0.9秒)を、2035年から100年
  の間は閏秒による調整を行わない値とすること。
 ・2026年の国際度量衡総会(CGPM)において合意出来る提案をまとめること。

 というものでした。
 ご覧のとおり「うるう秒廃止」ではなく現在のUTCの閏秒の挿入・削除の条
 件の変更というものです。

 確かにこの方式だと新しい仕組みを作るより、現状比較的上手く運用できて
 いるシステムの改正で済むので、大きなトラブルを発生させることは無さそ
 うです。

 また、現在のUTCの大きな問題である、閏秒の挿入・削除がいつ実施される
 かが予測出来ないという問題も解決します。少なくとも2035年から100年は
 無いと分かりますし、2135年が近づいたら、予め「21xx年にzz秒の閏秒を
 挿入する」と十分準備する余裕を持って告知すれば良いのですから(私と
 しては、その頃まで生きているとは思えないので、「知ったこっちゃない
 話」ですしね)。

 問題はUTCとUT1との差の上限値をどれくらいにするかです。
 1972年~2022年の50年間で+27秒でしたので、ざっと考えると60秒(1分)く
 らいでしょうか?
 そんな勝手な予想をしながら2026年の正式提案を待てば良いですね。

◇天文測位の問題は?
 さて、ここで問題になることとしては天文測位があります。
 でも、現在ではこれもあまり問題になりません。

 まず、全地球的な測位技術としては、現在は測位衛星を用いたGNSS測位
 (GPS測位と言った方がなじみがありますか?)が一般化したため、天文測
 位の必要性が著しく低下していることと、もし天文測位をする場合でもUTC
 とUT1の正確な差を入手出来さえすれば問題はありません(今はIERSのサイ
 トから、精密な差を簡単に入手できる時代です)。

 こうしたことから、UTCとUT1の差の現在の上限、0.9秒も変更可能となった
 と考えられます。

◇最後に
 『「うるう秒」がなくなる?』
 というタイトルで書き始めた話でしたが、結論は「閏秒は無くならない、
 ただ、数値が変わるだけ」となってしまいまし。
 ちょっと羊頭狗肉的な暦のこぼれ話になってしまいましたね。申し訳ない。

 このようなわけなので、まだしばらくは閏秒の挿入、あるいは削除は続くと
 思います。既に一度書きましたが、現在の地球自転の変動の具合からすると
 近いうちにUTCが始まって以来初めて、閏秒の削除が行われるかも。
 今はそっちの方が楽しみです。

◇「最後に」の後のおまけ
・TAIの1秒は短かすぎた?
 原子時、TAIは1958年の運用開始から

 「セシウム133原子の基底状態の二つの超微細構造準位の遷移に対応する
  放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間」

 を1秒としていました(現在のSI単位系の1秒の長さでもある)が、この1秒
 は1958年頃の地球自転の周期から考えた1秒に比べるとちょっと短かった。
 そのため今ではTAIとUT1との間にはざっと37秒もの差が生じてしまっていま
 す。

 91億9263万1770倍でなくて、91億9263万1997倍位だったら、ほとんど閏秒が
 入らなかったのにね。
 そしたら、こんな暦のこぼれ話を書くことも無かったかも。

・2~3年に1度閏秒が入るほど、地球の自転て変動しているの?
 閏秒が挿入されましたなんて言う話をすると

 「今まで24(=86400秒)時間で一回転していた(話を簡単にするため24時間とさ
 せてね)地球の自転速度が24時間と1秒(=86401秒)に伸びちゃったの?」

 と尋ねられることがあるのですが、これは誤解です。
 例えば3年で1秒の閏秒の挿入が必要になったとすると、

 365(日)×3(年)×T = 1秒 
 ・・・ T = 1/365/3 ≒ 0.0009秒 (= 9/10000秒)

 1日あたりで考えると1/1000秒にも満たない小さな差が積み重なって1秒のズ
 レになるのでした。

 ちなみに、(その2)でちょっと触れた地球の自転運動の長期的な遅れ(永
 年加速)は、平滑化して考えると1日あたりおよそ1.7/100000秒程度。
 この程度だと、閏秒補正は2~3世紀に1秒程度で済む小さな量ですので、非
 常に長期の話としては地球の自転速度は遅くなっているということは間違い
 ありませんが、これが近年の閏秒挿入の主要因とは言えません。
 その他の要因の方が、短期的な変動には大きく影響しているようです。

・身近にある正確な時刻、GPS時刻
 非常に正確な時計として原子時計の話を何度かしましたが、案外身近な装置
 (?)を通して原子時計の刻む時刻を手に入れることが出来ます。
 それはGPS。

 GPSシステムは米軍が全地球で利用可能な測位システムとして構築した衛星
 測位システム(現在はGPS衛星以外にも同種の衛星があるので、GNSS測位シ
 ステムと言うようになりました)ですが、GPS衛星には原子時計が搭載され
 ており、理論的には4衛星以上のGPS衛星の電波を受信出来れば、地球上の正
 確な位置だけで無く、正確なGPS時刻も得ることが出来ます。

 GPS時刻は1980年1月6日時点でUTCと同期していますので、それ以後の閏秒
 (2022年までに+18秒)の補正を行えば、正確なUTCの時刻を得ることが出
 来ます。

  「1/100万秒まで、時計を合わせたい!」

 という、几帳面な方にはおすすめです。いるかな?

 以上、その1~3+補足1 のとっても長い『「うるう秒」がなくなる?』のお
 話しでした。
 最後までお読みくださった皆様、お疲れ様でした。
 (本当にこれで終わりだよな??)

※「うるう秒」がなくなる? 関連記事リンク
  その1 http://koyomi8.com/doc/mlwa/202212100.htm
  その2 http://koyomi8.com/doc/mlwa/202212140.htm
  補 足 http://koyomi8.com/doc/mlwa/202212160.htm
  その3 (本文)

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