日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■メーデー(May Day) 今日からカレンダーは5月。すがすがしい月の始まりです。 このすがすがしい月の始まりである5/1は、「メーデー」と呼ばれる記念日 ます。 「メーデー」とは国際労働者の祭典として知られる日で、この日を祝日にす る国も80カ国以上あると言われます(日付が異なる国もあります)。 メーデーは「May Day」。 そのまま読めば「5月の日」というシンプルな名前。 元々は、ヨーロッパの春の訪れを祝う日で「5月の日」という単純な名前も それだけで皆が理解できる祭りの日だったといわれます(「五月祭」とでも いったところでしょうか。 大勢の人が広場に集まり、祭りの女王(メイクイーン(May Queen))を選ん でパレードをしたり、踊ったりするという華やいだ行事だったようです。 ※余談 「メイクイーン」をいわれると、私にはジャガイモの姿しか思い浮かびませ ん。本当に余談でした。 ◇労働者の日? メーデーが華やかな5月の祭りの日であった頃には、労働者もこの労働者を 雇用する雇用者も区別なく春の訪れを祝う日であったようですが、現在はも っぱら「労働者の日」ととらえられているようです。このメーデーの日が 国際労働者の日(International Workers'Day) とされているところを見ても、それまでの「労働者と雇用者」から雇用者が 抜けて、「労働者」だけの記念日となっている様子がうかがえます。 メーデーが現在のような労働者を中心とした記念日となったのは19世紀末に 米国や欧州で始まった労働者の権利と福利厚生に関する運動の活発化による ものと考えられます。19世紀末頃の労働環境は厳しく、これを改善するため に労働者が集会を行い、デモなどを実施するといった労働運動が盛んになっ り、そうしたデモなどがこの日に行われることが多かったことから、今では メーデーといえば、労働者の権利を守るための日ととらえられるようになっ たというわけです。 日本でもメーデーは毎年5月1日に行われており、主に労働組合や左翼系団体 が中心となってデモや集会が行われます。武漢肺炎(新型コロナ)の流行前 までは東京都心では代々木公園周辺や新宿、池袋、渋谷などで、毎年メーデ ーの日に、集会やパレードが行われていました。 東京以外でも日本全国で様々な地域でメーデーの集会やデモが行われており ましたが、時代に合わせてということか、労働条件の向上のためにデモを行 うといったものより、各種イベントやコンサートなどが行われる「祭り」に 近いものになりつつあったようです(メーデーの先祖返り?)。 武漢肺炎が流行してからは、人が沢山集まるような行事は行われなくなって いたので、ここ3年ほどは大きなイベントはなかったようですが、今年はこ の感染症に対する対策も大分緩和されましたから、再び集会などが行われる ようになるのでしょうか? 私の周辺では、何かのイベントが行われている 様子はないのですが、どうなのでしょうね? ◇日本のメーデーは「祝日」にはならならないの? 日本でも、5/1のメーデーを祝日にしようという動きは一時期ありました。 この動きは言わずと知れた、4月末から5月上旬にかけての大型連休創出のた めでした。 現在でも 5/1,2は祝日でないため振替休日や国民の休日などの仕組みを使っ てもこの両日、あるいはどちらかが平日となってしまって、休日が連続しな い状況になることが多かったので 「世界でも多くの国が祝日にしているのだから・・・」 といった名目で、祝日化の話が出たり消えたりしていました。 しかし、日本には「勤労感謝の日」という労働者の日に近い意味合いの祝日 が既にあります(しかも「勤労感謝の日」は千年以上の伝統を受け継いだ格 の高い祝日)から、屋下に屋を架すようなこともはばかられますし、連休の 大型化は5/4が「みどりの日」となったことで十分達成されたことから、メ ーデーを祝日にする必要性が薄らいでしまったことも有り、メーデーの祝日 化の話は消えてしまっているようです。 連休の大型化もいいですが、過ぎたるはナントカというとおりで、長すぎる と弊害も出てきますからね。 ◇メーデーなのに4月? 今年(2023年)に行われる予定のメーデー行事ってどんなのがあるのかな? この記事を書くにあたって、インターネットで検索してみたところ、メーデ ー中央大会のHP(https://www.yoyogikoen.info/mayday-2023/)に 日程 2023/4/29(土・祝) 第94回メーデー中央大会 と案内されていました。 メーデー(May Day)なのに5月じゃないの? この辺りも時代の流れでしょうか。 長い休みがあったら家族で海外旅行・・・なんてことが一般化してくると、 ゴールデンウィーク期間のど真ん中付近のメーデー行事に参加するというの も難しくなります。 「ならば別の日に」とは言っても本来の日付からあまり離れてしまうのもお かしいかと考えた結果が、ゴールデンウィークの端っこの日にやろうとなっ たのでしょうね(と、勝手な憶測)。 もし今後もこの傾向が続き、4月の終わりに行われる「メーデー」が一般化 したならば 4月に行われるのに「メーデー」とはこれ如何に? なんていうタイトルの暦のこぼれ話を書く日がやってくるかもしれません。 そんな日がやってくる日が早いか、日刊☆こよみのページが廃刊になるのが 早いか、それはまだ判りませんけれどね。 以上、5月の始まりの日の「メーデー」の話でした。
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