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■旧暦四月・「卯月」あれこれ(2023)
 今年は、ところによっては最高気温が30℃を超えるような日が現れてように
 なっても旧暦ではまだ三月、晩春の月が続いていました。もういくら何でも

  「春」はおかしくない?

 そんな日が続いていましたが、ようやく旧暦の月も変わって今日からは、旧
 暦月の区切りでも「夏」と区分される日付となりました。

◇旧暦四月の始まりの時期
 もうちょっと「春」はおかしくない?
 という話から書き始めましたが、本当に今年の旧暦四月は遅い四月だったの
 でしょうか? 今年は閏三月がありましたから四月の始まりが遅いというの
 は間違いありませんが、どれくらい遅かったのか、気になったので調べてみ
 ました。

 1873~2099年の間の 227年間で旧暦四月の始まりの日の新暦の日付を調べて
 みた結果

  最も早いもの 4/21 (2069,2088)
  最も遅いもの 5/22 (1955)

 となりました。
 本日(2023/5/20)はこの結果からすると確かに遅い方だということが解り
 ます。調べた結果から今日の日付、5/20より遅い旧暦四月始まりの年を抜き
 出してみると

  5/20 1898,1947,1966,1985,2023,2099
  5/21 1879,1917,1936,1993,2012,2031,2050
  5/22 1955

 全部で14回ありました。14/227ですからおよそ6%。まあまあ遅い部類といっ
 て間違いないでしょう。今後の事に絞って考えれば2099年まで、今年より遅
 い旧暦四月のある年は、2031,2050,2099年の3回だけですから、

  こんなに暑いのにまだ四月?

 なんていうこともしばらく無いようです。
 ちなみに来年、2024年の旧暦四月の始まりは 5/8です。

◇卯月(うづき)
 卯月は旧暦四月の別名の一つです。
 卯月の語源については、Web こよみのページの「暦と天文の雑学」の記事の
 一つである

  和風月名の話 ( http://koyomi8.com/reki_doc/doc_0102.html )

 で書いた説明を引けば次のようになります。

 『卯月
  四月。初夏。田に苗を植える月を意味する「植月(うえづき)」が転じ
  て「卯月(うづき)」となったとする説があります。「卯」の文字を用い
  たのは卯が十二支の四番目であるからと言われています。
  また、平安時代末に書かれた歌学書、奥義抄に「うの花さかりにひらくゆ
  えに、うの花づきというをあやまれり」と記されたことから「卯の花月」
  を意味する「卯月」となったという説もあります。』

 なるほど、田植月ね。田んぼの季節が始まる季節だったのです(現代の稲は
 品種改良で早生化が進んで、田植えの時期は昔に比べ1ヶ月あまり早まって
 いますので、ちょっと時期が合いませんけど)。

 ちなみに、説明の後段に登場する「うの花」は空木(ウツギ)の花のこと
 です。現在住んでいる家のまわりには山(森)が一杯あって、その山の端
 に近い場所には沢山の空木が生えていて、その枝に一杯の白い卯の花を付
 けています。卯の花は半月程前から咲いていましたから、暦の上の「卯の
 花月」は実際の卯の花に少々遅れてやってきた感じです。

 遅ればせながらではありますが、今日からは旧暦四月、卯月。
 暦の上でもすっかり「夏」の季節に入りました。

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