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■念仏の口開け（1/16）
　本日は正月の十六日。
　「念仏の口開け」の日です。

　念仏の口開けとは
　　『正月になって初めて仏を祭って念仏する日。関西地方でいう。』
　　《広辞苑・第七版より引用》
　という日です。

　正月は年神が家々に宿ります。年神様は念仏がお嫌いとのことなので、正月
　の準備が始まる頃から、年神様が天にお帰りになるまでの間は念仏を唱える
　のを差し控えるのだそうですが、差し控えていた念仏が解禁になるのが、正
　月の十六日。正月の松がとれた後の最初の日（昔は十五日までが松の内だっ
　た）で、この日を「念仏の口開け」(または「後生始め」)と言いいました。

　ちなみに差し控えていた念仏を再開できる日が念仏の口開けなら、念仏を差
　し控える始まりの日もあるわけで、こちらを「念仏の口止め」といいます。
　念仏の口止め・口開けの期間は地域によって異なるようですが、こよみのペ
　ージでは念仏の口止めを十二月十六日、口開けを一月十六日としています。

　昨日（または、一昨日）は左義長（どんど焼き）の日でしたから、年神様は
　左義長の火の煙に乗って帰り、今頃は天にいらっしゃるはずです。ですから
　今日からは昨年の十二月十六日から一ヶ月の間、年神様に遠慮してくださっ
　た仏様に対して念仏を唱えることが出来るようになります。

　神様が念仏を嫌うというのもなんだかなという気もしますが、変に争い合う
　より、譲り合って（？）それぞれの立場で私たちを見守ってくれているのか
　なと考えると、それもまんざら悪いことでもないような気がします。

　「ちょっといい加減じゃない？」と言われそうですが「念仏の口止め」「念
　仏の口開け」という日が来る度に、そんないい加減さもまたいいものだよな
　と思ってしまいます。私自身がいい加減な奴だからかな？

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