日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)

■「振替休日」の最多の年
 今日は2/12。
 今年は2/11の建国記念の日が日曜と重なりましたので、本日2/12は振替休日
 となりました。そんなわけで今年の「振替休日」の具合を眺めてみたところ
 なんと今年は5回もの振替休日があるではありませんか。

 これは振替休日の当たり年。
 これは振替休日の話を書いておかないと。
 ということで振替休日の話です。

◇振替休日の誕生
 1973(昭和48)年4月12日 法律10 (即日施行)
 「振替休日」(第三条第二項)を追加。

 祝日に関する規定をまとめた法律、「国民の祝日に関する法律」(略して、
 祝日法)に振替休日に関しての規定が加わったのがこのとき。
 それまでは、祝日と日曜日が重なると、

  休み一日、損した気分

 になっていましたが、これで一安心。

◇振替休日の新旧
 2005(平成17年5月20日 法律43 (2007(平成19)年施行)
 昭和の日(4月29日)にみどりの日(4月29日)を5月4日へ変更(昭和の日法案)。
 これに伴って振替休日と国民の休日についての小改正(2007(平成19)年1月
 1日施行)。

 2005年、いわゆる「昭和の日法案」が可決されました。
 「昭和の日」誕生という華々しい話の影で、振替休日につても微妙に内容が
 変わりました。
 その前後の条文を並べてみます。

 ・旧振替休日の決まり
「国民の祝日」が日曜日にあたるときは、その翌日を休日とする。

 ・新振替休日の決まり
「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も
  近い「国民の祝日」でない日を休日とする。

 ちょっと違いますね。
 祝日が混み合った、ゴールデンウィークなどでは、

  日曜と重なった祝日の翌日が更に祝日

 と成る可能性が出てきてしまいました。
 2005年の改正はこれを考慮したものと思われます。

◇振替休日と言う言葉
 「振替休日」と当たり前のように書きますが、祝日法では単に

  休日

 とだけ書かれていて何処にも振替休日の言葉は登場しません。
 この呼び名は、他の休日と区別するために便宜的に使われた言葉だったので
 す。これって、意外に知られていない事実ですね。

 ※【参考記事】
  「国民の祝日に関する法律」
   http://koyomi8.com/sub/syukujitsuhou.html

◇今年は最多?
 振替休日は祝日と日曜日が重なることで生まれます。
 このため「○月の第△月曜日」のようにな移動祝日となる祝日は対象となり
 ません。これがのぞかれるので現在の祝日の中では

 ・日付けに固定された祝日
    1/ 1 元日 (0)
    2/11 建国記念の日 (41)
    2/23 天皇誕生日 (53)
    4/29 昭和の日 (119)
    5/ 3 憲法記念日 (123)
    5/ 4 みどりの日 (124)
    5/ 5 こどもの日 (125)
    8/11 山の日 (223)
   11/ 3 文化の日 (307)
   11/23 勤労感謝の日 (327)

 ・春分日、秋分日に固定された祝日
    3/20 春分の日 (79)  ※春分日
    9/22 秋分の日 (265) ※秋分日

 の12日が振替休日を生み出す可能性のある祝日となります。祝日の日付けは
 2024年のものです。日付けに固定された祝日については勿論、他の年もその
 日付けですが、春分の日と秋分の日は年によって異なります(2020~2050年
 の間で考えると、春分の日は 3/20 or 21,秋分の日は 9/22 or 23)。

 祝日名の後の()は1/1を0日目として数えた年通日です。
 上記12日の内で日付けに固定された祝日については

  「Aが日曜日になった、Bは日曜日となる」

 となる組み合わせが出来ます(日付けが決まっていますから)。A,Bの年
 通日を7で割った際の剰余が同じならば同じ曜日になるからです。
 今年の例で言えば

  建国記念の日
  こどもの日
  山の日
  秋分の日
  文化の日

 の年通日の7の剰余は何れも6で共通で、この日の曜日は日曜日なのでこの5
 日について、振替休日が出来ることになりました。
 この5つの振替休日というのが現在の祝日法の下で考えられる1年の振替休日
 の最大日数となります。今年は振替休日が多くて嬉しい(そうでない方もい
 らっしゃるかもしれませんが)。

 ちなみに次に振替休日が5回となるのは今年とまったく同じパターンとなる
 2052年。
 当分こんな嬉しい年は来ないことが判りましたので、嬉しい今年の振替休日
 をタップリと堪能させていただこうではありませんか。

日刊☆こよみのページ スクラップブック