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■一番日暮れの時刻が早いのはいつ?
 近頃は大分日暮れが早くなりました。
 夕方の5時には外はすでに真っ暗。夏なら、太陽が燦々と照りつけていた時
 刻なのに(ああ、夏が恋しい・・・)。そんなことを思いながら日没の時刻
 を見ていると、あれれ? 冬至まではまだ日があるというのに、今日、明日
 辺りが

  日没の時刻が一番早い時期

 みたいなのです。
 一年で一番、日(昼)が短いのは冬至のはずなのに??

◇日没時刻が一番早い日は「冬至の日」ではない
 あれ、昼間の時間が一番短くなるのは「冬至の日」のはずじゃなかったかな
 と思った方がいらっしゃったのでは?
 この考え、間違ってはいません。ただ、昼の時間が一番短い日が日没が一番
 早い日ではないのです。
 実例として東京での日没の時刻を求めてみると

  2024/12/04(本日) ・・・ 16時28分 (9時間53分)
  2024/12/21(冬至) ・・・ 16時32分 (9時間45分)
  ※北緯35°39′、東経139°45′での値

 ご覧のとおり、冬至の日より今日の方が 4分、日没が早いのです。
 ちなみに、計算結果の末尾の()は日出~日没までの時間です。ご覧のとお
 り、日出~日没までの時間は冬至の方が短いです。

 ではなぜ、日没の時刻が遅くなり始めているのに、日出~日没までの時間は
 これからまだまだ短くなるのかといえば、それは日没時刻が遅くなるより、
 日出の時刻が遅くなる度合いの方が大きいからです。日没時刻が遅くなって
 昼の時間が延びそうに思えても、その延びる分以上に日出が遅れて、トータ
 ルで見ると、昼の時間は短くなってゆくのです。

◇なぜこうなるのか?
 これは我々が時刻を測っている時計の針と、自然の時計の針の役割を果たし
 てくれる太陽の進み方に違いがあるためです。
 ちょっと専門的な言葉を使えば、平均太陽時と真(視)太陽時に差があり、
 その差が季節によって変化するためです。
 この差を「均時差」と呼びます。

 均時差について説明するとこれが結構大変なのでこの辺は「暦のこぼれ話」
 では荷が重いので、省略させて頂きます。
 詳しく知りたい方はWeb こよみのページに

  暦と天文の雑学
   ⇒ 冬至は一年で一番日の出の遅い日か?・・・均時差の話
  ( https://koyomi8.com/reki_doc/doc_0508.html )

 という解説記事を書いておりますので、時間のあるときにお読みください。

◇一年で一番日暮れの時刻が「早い頃」はいつ?
 一年で一番日暮れの時刻が早い日とせず、「早い頃」とした理由は、一番早
 い日は場所(緯度)によって違ってくるためです。

 どのくらい違ってくるかを見るため、緯度の違いによる日没が一番早くなる
 日の違いを調べてみました。以下がその結果です。目安にどうぞ。

  北緯20度 ・・・ 11月25日
   〃25度 ・・・ 11月29日
   〃30度 ・・・ 12月 2日
   〃35度 ・・・ 12月 5日
   〃40度 ・・・ 12月 8日
   〃45度 ・・・ 12月10日 ※日付けは2024年のもの

 さて、皆さんのお住いの場所で、日没が一番早くなる時期はいつごろでしょ
 うか。もう過ぎてしまいましたか? それともこれからですか??

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