日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■1ヶ月に2度の新月・満月のある月 本日は、当メールマガジンの人気コーナーである隅掘り隊通信(自虐)の常 連報告者であるサガ隊員からの質問に答えます。 「答えます」なんていうと、かっこいいのですが「何か、話の種ないかな」 と思っていたところに舞い込んだ質問でしたので これは天啓!! と、早速採り上げただけのことと自供しておきます。 ではまずは、いただいた質問から。 ----------------- サガ様からの質問 ------------------- 質問は。 今年の月のカレンダーを作りました。 朔月と満月の時間も必要なのでわかるように(ついでにボイドタイムも・ 苦笑)。それで気付いたんですが。 今年は一ヶ月の間に二回新月や満月になる月がないですね。 あれ、珍しい? と咄嗟に思ったんですが。 そうでもないのかな? とまあ、そんな素朴な疑問です。 満月に関して言えば「ブルームーン」がないことになりますね。 二度目の満月の意味なら。 ---------- サガ様からの質問(ここまで) -------------- なるほど。 ここでいうところの一ヶ月というのは新暦での暦月、例えば新暦の2025/1に 新月が何回あって、満月が何回あるか。 新暦の暦月の日数は2月以外は30日か31日と、平均朔望月(月の満ち欠けの 周期)である29.53日より若干長いことから、新月や満月は普通は1ヶ月1回 で、たまに2回ある月もあるということになります。 例外的な日数を持つ2月は逆に平均朔望月よりわずかに短い日数のため、た まに新月や満月が無くなる場合もあります。この「たまに」がどのくらいな のか確かめてみました。 ◇例外となる暦月は珍しい? ご質問にあったような例外となる暦月って珍しいのか、実例で調べてみるこ とにします。手始めに2020~2029年の10年間で、新月や満月の回数を調べて みました。全部書くのは大変なので、平均的な「1回」というものを除いて 示すと ・新月が2回ある月は3例 2022/5 , 2024/12 , 2027/9 ・新月が0回の月は無し ・満月が2回ある月は5例 2020/10, 2023/8 , 2026/5 ,2029/1 , 2029/3 ・満月が0回の月は1例 2029/2 となります。10年間ということは120ヶ月(120暦月)あるなかで上記程度の 例しかないことを見れば「たまにしかない」ことは判っていただけると思い ます。 ただ、サガ様からのメールの質問は、このような例外的な暦月がない年とい うのは珍しいのかということですので、年単位で考えると上記リストのよう な例外的暦月がある年とない年は ・例外的暦月がない年 2021, 2025, 2028 例外的暦月がある年 2020, 2022, 2023, 2024, 2026, 2027, 2029 となります。 これは新月についてと満月についての例が的暦月をまとめて扱ったものなの で、ちょっと極端な結果になってしまいましたが、この結果からすると、年 単位で見ると例外的な暦月を含まない年の方が珍しいという結果になりまし た。 最後におまけで、もう少し長い期間を調べて例外的な暦月の現れる回数を調 べてみました。調べた期間は1840~2300年の461年間(暦月数で言えば5532 ヶ月)で ・新月における例外的暦月 216例 (2回が193例、0回が23例) ・満月における例外的暦月 214例 (2回が192例、0回が22例) 新月、満月それぞれで見ると例外的暦月は全体の暦月(5532ヶ月)のうちの 約3.9%です。両方合わせて考えれば約7.8%が例外的な暦月となります。 直近で登場する例外的暦月は ・新月の場合 2027年9月(2回の新月のある暦月) ・満月の場合 2026年5月(2回の満月のある暦月) となります。
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